世界一くわしい革花の専門書

革花(かわはな・レザーフラワー)の作り方や染色・成形などの技術記録とあわせて、革花作家としてものづくりを続ける中で、生きづらさから少しずつ抜けていった心の変化や考え方を綴っています。心を整える視点や日々の気づきを、暮らしと制作の記録としてまとめたブログです。

このブログは、革花作家としてものづくりを続ける中で、私自身が生きづらさから少しずつ抜けていった 心の変化や気づきを記録しています。 革花の技術の話も心の話も、どちらも「生きること」の一部として綴っています。

※「世界一くわしい」とは、一人の作家が歩んできた過程と気づきを、 技術と心の両面から、できる限り丁寧に残しているという意味で使っています。

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革花作家が挑んだ浮世絵コラボ|minne掲載「ねがいをかけるひと」の誕生物語

※この記事は「革花作家|販売と心の記録」シリーズの第16話です。

▼ 第15話はこちら:
2017〜2020年の革花販売の記録|イベント出展からコロナでネット販売へ

コロナ禍でイベントからネット販売へ

コロナ感染症が蔓延してから、それまでイベント中心だった日常からインターネットでの販売が中心になった。

約3か月ほど先まで入れていたイベントの出展予定は、開催者から中止の連絡が来ることも増え、私も家族への感染を恐れてイベントには出展しないことにした。

革花の作り方が確立し始めた時期

ハンドメイドサイトminneで販売を始めてから、約2年が経った2020年には、私の中で革花の作り方が確立され始めていた。

革花の基本的な作り方は土台が固まり、方向性が見え始めた。ここからはオリジナリティを磨いていく時期に入っていった。

minneとのコラボ企画「The UKIYO-E 2020」に挑戦

そんな中、minneから作品募集のお知らせがあった。

当時「The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」が開催されるのに合わせて、minneでもコラボ企画が実施されていた。日本三大浮世絵コレクションにちなんだ作品展に出品するため、日本の浮世絵数点の中から着想を得て作品を作る、という内容だった。

それまで自分が作りたいものを作ってきたけれど、自分の中にないテイストを取り入れたとしても、私らしさは残るのだろうかと思い、挑戦してみることにした。

 

石川豊信「花下美人」この浮世絵から革花を制作した

 

私が選んだのは、石川豊信作「花下美人」という作品だった。

この作品を見たとき、ふと浮かんだのは、願い事を短冊に書いて木に結び付けている姿。まるで七夕のような、そんなイメージだった。

どの時代を生きる人も、きっとこうして願い事をしただろうなと思い、それを作品にすることにした。それが、この作品だった。

革花作品「ねがいをかけるひと」

革で作ったイヤリング。石川豊信「花下美人」から着想を得て作ったもの。桜の花、格子柄、七夕飾りのようなパーツがすべて革で繊細に作られている

作品名 【ねがいをかけるひと】

桜の花に、短冊を括りつける。まるで、七夕のように。

「願いごとが、天に届きますように」と思いを込めて。


この作品に描かれた女性の思いが届くことをイメージして作ったものだった。それまで使ってこなかった黒やグレーを取り入れた作品で、ずっと私の作品を見てきた方々からは、「これまでの作品と全然イメージが違う」という声が上がった。

それは、「良くも悪くも」という意味合いもあったかもしれない。けれど、オリジナリティを磨いていく段階にいた私にとっては、とてもいい刺激になった。

作っていた時には、どうしたらこのイメージを形にできるのかと、デザインから制作を何度も繰り返し、納得がいくまでやりきることができた。そして、何かから着想を得て作るという新たなスタイルを取り入れたことで、私の作品が、単なる革花アクセサリーから進化したような気持になったのを今でも覚えている。

minne特集掲載から得た学び

それから、約1か月後。

minne×浮世絵コラボで、特集掲載することになったと知らせが届いた。

2020年7月23日|当時のインスタグラム投稿より

【minneとものづくりと】にて、浮世絵版画×minneのコラボ企画で出品していた作品がminneで掲載されました。

石川豊信の花下美人図をわたしの作品に落とし込んで作った革花イヤリング。

これまでに使ったことのない色合いやデザインに、もちろん戸惑うこともあり、完成までは自分でもどんな作風になるのか予想もできませんでした😅💦

最初にデザインしていたものとは全く違うものになったけれど、時間をかけて捻り出した作品は、ご覧下さる「誰かの心」にきっと届くと信じて。

時間ギリギリまで、「作ろうかな…できるかな…」と考えていたときも、結局はデザインのことで頭がいっぱいで。

とにかく、チャレンジして良かった!

作ってみて良かった!

とても学びの多い作品製作となりました😊

※当時のインスタグラムの投稿をそのまま掲載

この投稿からも分かるように、当時は、完成するまでずっと迷いがあったことが伺えると思う。ひたすら自分のイメージしていたものだけを追いかけていた当時、多分、ほんの少しでも新たな扉を開くヒントが欲しかったのかもしれない。

挑戦しようと思った時には、実はまったく違うデザインだったのだけれど、試行錯誤ののち、私の中で「ピタっ」とハマる瞬間が訪れたのが、この作品だった。

なんとなく、これはいけるかもしれないという自信がどこかにあって、選ばれたと知らせが届いたときには、嬉しさがこみあげてきた。それと同時に、自分自身が納得いくまで作りこんで、コレだ!と思えるまでやり切れたなら、どんな結果が訪れても満足できるのだということを実感した。

ゼロから始まった革花作りは、こうして、少しずつ自分の足で道を切り拓き始めたのである。


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この記事は、「革花作家|販売と心の記録」という連載の中の一編です。
2017年に革花を始めた当初からの、販売の葛藤や気づき、そして自分自身と向き合ってきた過程を時系列で記録しています。
販売と心の記録まとめページはこちら


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