この記事では、YouTubeラジオ「道具沼」シリーズ第3回の内容をもとに、私が実際に使っている裁断機・スキャンカットについてお話しします。
「革をカットするのに本当に使えるの?」「維持費はどのくらいかかる?」など、いただいたご質問に答えながら、使って感じたことや購入に至るまでの経緯など、作家目線で正直に綴ってみました。
- minneのタイアップ企画が最初の出会い
- 購入を決めた理由は、仕上がりの“安定”
- 革花づくりとスキャンカットの相性は?
- いただいたご質問にお答えします
- 手作業と比べたときの「価値」
- ひとりで制作する作家さんにこそ、スキャンカットをおすすめしたい
- おわりに|スキャンカットは「時間と仕上がり」を守ってくれる道具
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minneのタイアップ企画が最初の出会い
スキャンカットを初めて知ったのは、2021年。 「minneとものづくりと」というminneのタイアップ企画がきっかけでした。
出典:minneとものづくりと
お試しという形で実際に使う機会をいただいて、初めて触ってみたんです。
正直、当時はまだデジタル化を考えていなかったし、私はかなりアナログ派。 「便利そうだけど、本当に自分に使いこなせるのかな?」という不安も大きかったんですよね。
でも、実際に使ってみたら、「あれ? 意外と使えるかも」と感じたんです。
購入を決めた理由は、仕上がりの“安定”
スキャンカットを購入したのは2022年。 ちょうどその頃、作品の注文が増えて、制作がどんどん追いつかなくなってきた時期でした。
私は、型紙を手で作って、革に写して、はさみでひとつずつ切る…という作業をずっと続けていたんですが、売れる数が増えるにつれてそれが追いつかなくなってしまって。
どんなに丁寧に切っても、やっぱり仕上がりに微妙な差が出るんです。 クオリティを一定に保つのがとにかく難しくて、それが本当に大きな悩みになっていました。
「どんな人がいつ買っても、同じクオリティで届けたい」 そう思ったことが、スキャンカット購入を決意した一番の理由でした。
革花づくりとスキャンカットの相性は?
革花は、同じパーツを何十枚もカットすることが多い。 だから、スキャンカットのような機械ととても相性が良くて、型紙をデジタル化して保存しておけるのがすごく助かります。
手で写す手間もないし、何より仕上がりが均一になる。 私は「時間を買う道具」だと思って使っています。
いただいたご質問にお答えします
Q1:何ミリまで裁断可能ですか?
私が使っているのは「スキャンカットSDX1200」という機種です。 購入してすぐ、いろんな厚みの革をカットしてみたんですが…
1ミリを超えると、どうしても切れていない部分が出てくることがありました。 革花で使うような、1ミリ以下の革なら問題なく切れます。 でも、1.5ミリ厚のような、革小物に使われる革は切れないことが多いです。 設定を工夫しても、やっぱり限界がある印象です。
Q2:刃の交換や維持費は結構かかりますか?
刃の交換頻度は使う頻度によるので一概には言えませんが、私の場合は3年で3回くらい。 2025年7月時点で、替え刃は1本3000円ほどです。
ただ、実は刃よりも「粘着マット」の維持費の方がかかるんですよね。 このマットは1枚2400円ほどで、革を貼って剥がすことを繰り返すと、5~6回で粘着が弱まることもあります。
特に革花の場合、小さなパーツをたくさんカットするので、マットの消耗も早い。 私は、マットから革を剥がす回数を極力減らしたり、保護フィルムを貼って保管するなど、少しでも長持ちするよう工夫しています。
手作業と比べたときの「価値」
正直なところ、マットの消耗が激しいと維持費はかかります。
それでも私は「それで作品のクオリティが安定するなら安いものだ」と思っています。それくらい、今の私にとってはなくてはならない道具です。
ハサミで1枚ずつ切っていたあの頃のことを思い出すと、今のほうが圧倒的に時間の余裕ができました。
その分、他の制作に集中できるし、何より作ることが楽しくなったんです。
ひとりで制作する作家さんにこそ、スキャンカットをおすすめしたい
もちろん、スキャンカットがすべてを完璧にこなしてくれるわけではありません。
でも、「時間を買う」という意味で、これほど心強い道具はないと感じています。
特に、ひとりで制作から販売まですべてを担っている作家さんにとっては、「どこかで作業を効率化する」ことが、継続していくために本当に大切だと思うんです。
だから私は、こういう機械の導入を“特別なもの”と考えすぎず、早めに取り入れてみてもいいと思うよ”と伝えたいです。
おわりに|スキャンカットは「時間と仕上がり」を守ってくれる道具
私にとって、スキャンカットはただの便利グッズではなく、自分の時間と作品の質を守る道具です。
手で切る楽しさももちろんあるけれど、ものづくりを楽しく続けるために“作業効率化”するのはいいことだと考えています。
もし、あなたも「もっと効率よく、もっときれいに作りたい」と思っているなら、
スキャンカットという選択肢を、ぜひ一度検討してみてくださいね。