革花作家としてゼロから始めた8年の記録|自分を信じる力の育て方

この記事は、革花作家としてゼロから歩んできた8年間のことを振り返りながら、自分自身を信じられるようになった過程を記録したものです。  
長文ですが、必要なところだけでも読んでいただけたら嬉しいです。

🎧 この内容はラジオ形式の動画でもお話ししています  
読むのが大変な方、ながら時間に聞きたい方は、ぜひこちらをご覧ください👇  

https://youtu.be/h39UHqf4sPY

自分のことを信じられなかった過去

昔の私は、どんなことを願っても叶わないと思っていた。

夢なんて見たって現実に起こることはないし、そんなもの存在しないとさえ思っていた。たぶんそれは、自分に自信がなかったのだ。頑張っても報われなかったら、努力した時間が無駄になる。だから、やらない。

そういう偏屈な思いを持っていた。

子どもの頃から特技と言えるものは何もなく、なぜかできるようになりたいと思ったことだけを熱心にやる子どもだったけれど、突出するようなものではなかった。

逆上がりができるようになりたいと思った小学生の頃は、できるようになるまで毎日放課後に練習した。どのくらい練習したかはもう覚えていないけれど、1か月よりは短かった気がする。

できるようになるまでの時間は、私にとって、努力などではなく「ただできるようになりたい」という一心が私を動かした。でも、できた途端、目標を達成したことに満足して、そこで熱が冷める…という性格がゆえに、何事も続かなかった。

そこから先がなかったのだ。だから、何をするにしても、努力すればなんでもできるようになるのに、極めることをしなかったから、「やってみたい」から「できる」に変わっても熱が冷めておしまい。頑張りって時間の無駄だと思っていた。

革花との運命の出会い

結婚、妊娠、出産…と、流れるように時が過ぎ、私の30代は子育てに手いっぱいだった。何事も子どもが優先で、自分は何でも後回し。くたくたになりながら毎日子どもと過ごす日々は幸せだったけれど、自分の中から何かが失われていく感覚があった。あっという間の日々。

子育てがひと段落したころから、パートで働いて、日々をただ何となく生きる。そんな日々に終わりが来た。働いていた病院が閉院することになったのだ。

すぐに仕事を探そうとしてもなかなか見つからない。見つかったと思えばひどいパワハラを受け、何をやってもうまくいかない日々が続いた。

それを見かねた兄が、私にレザークラフトをやってみないかと誘ってくれた。ものづくりなんてやったこともないし、手先が器用なわけでもない。だけど、ほんの少しの気分転換になった。

レザークラフトを始めて数か月後、兄が革絞りの技法をしていたのを見て、革っていろんな形に変わるんだと気づき、一気に革の魅力に取りつかれた。こんなに柔らかな曲線を表現できるのならば、もっと繊細なものが作れるのでは?と、次の瞬間「革で花を作ってみたい!!」と思いついた。本当に、唐突に。

そこから、私は、革で花を作ることに没頭した。作り方なんてもちろん知らないし、どこにも教科書はない。だけど、とにかく作りたい思いが強くて、楽しくてのめりこんだ。久しぶりの感覚。こんなにたのしいことがあるなんてと、運命の出会いを感じた。

壁と違和感のはじまり

革花がある程度形になったころ、ハンドメイドイベントで革花アクセサリーを販売してみることにした。それまでは、花の一部の花弁だけをアクセサリーにしたものを作っていたが、このとき、初めて花らしい花が完成したことをきっかけに、販売を決めた。

夏らしい向日葵の革花アクセサリーは、持って行っていた30個がすべて完売し、多くの方に喜ばれ、私自身も手ごたえを感じていた。これから、もっとたくさんの人に喜んでもらえるように、季節の花を作ろう!と意気込んでいた。

ハンドメイドイベントに声をかけてもらう機会が増え、じわじわと革花アクセサリーの存在が知られるようになったことをきっかけに、インターネットでの販売を始めることにした。本格的に仕事として、革花アクセサリーを販売しようと次のステップに進むことに決めたのだ。

最初から売れるわけがないのだからと、できることを少しずつやっていき、販売を始めて半年が過ぎるころには、販売サイトの特集に掲載してもらう機会が増えたり、リピーターさんが増え始めた。

売上は多くても4~5万円程度だったけど、それでも喜んでもらえるならと必死に新作を作り続けた。たぶん、このころから私は少しずつ違和感を感じていたんだと思う。

気付けば、毎日毎日、革花のことしか考えていなかったし、寝る間も惜しんで新作を作らなければと自分自身を追い込んでいた。

いつしか、楽しさよりも、「作らなければ」という思いが強くなり、「革で花を作りたい」という気持ちよりも「売り上げを伸ばさなければ」と考えがシフトしてしまい、何が楽しいのかさえ分からなくなっていた。

革花を作ることは楽しい。それなのに、何か、どこか、違う方向へ向かっている気がするけど、それが何なのか分からなくて、半年に一度、必ずと言っていいほど「作れない」という状況になった。もう何年も。

自分への問いかけと答えの発見

私は何がしたかった?

どこに向かいたいの?

そんな質問を、ずっと自分に問いかけ続けていた。毎日必死だったからなのか、それとも分からないふりをしてしまっていたのか分からないけれど、その答えは2025年になるまで分からないままだった。

自分を信じられるようになった私

革花作家として活動してからというもの、人との出会いがなくなった。毎日とにかく必死で、仕事として成り立たせるために、自分でアイデアを練って作るほかなかったから、誰かと話している時間さえ惜しくて、この数年は友達と呼べる人も周りにいなくなった。かといって、後悔はしていない。

唐突に訪れた「革で花を作ってみたい」という思いはずっと変わらずあったし、それができれば私は幸せだったのだと思う。

誰にも邪魔されず、没頭できる何か。

私にしかできない、唯一無二の何か。

それを私は求めていたのだから。

この数年、振り返っても、遊びの時間はほとんどなかった。それでもよかった。時間があれば革に触れ、誰よりも努力している実感が欲しかった。

いつしか、私は「やれば何だってできる」が口癖になっていた。夫にも子どもにも「なんだってやってみたらいいよ。諦めなければ、必ずできるようになる。」と、さらっと自分の口から出てきたことに気づいたときには、自分自身に驚かされた。

願いは、行動して初めて叶う

「どんなことも、願ったって叶わない」とずっと思っていた私が、こんなことをサラッというようになるなんて、と。

昔の私にはなかった考えだったから。だけど、今になって思う。

本気で願ったから、今の私がいるんだと。「革で花を作ってみたい」という突拍子もないことを思いつき、その思いだけで今までやってきた私だから言える。

願えば必ず叶う。

若いころは、「願えば叶う」の意味を勘違いしていたのだ。ただ、こうなりたいなと思うだけで叶う?と。でも、違う。願うから、こうしたい、こんな風になりたいと行動に移すようになり、それを必死で追い求め、形にして、初めて夢がかなっていくのだ。

とても小さな願いがたくさん積み重なって、どんどん夢が膨らんでいく。

何もできない自分が、ちょっとずつできる自分になっていって、壁にぶつかりながらももがきながら超えていって、その繰り返しが自分への信頼に繋がっていく。

何者でもなかった私の小さな願いのかけらが、少しずつ、少しずつ大きくなって、夢を叶えようとしている。小さな願いが浮かぶたびに、夢中になって追いかけ続けた。

夢中って「夢の中」と書くけれど、夢に向かって必死になっている時間そのものが夢の中。どんなに小さな願いや夢だったとしても、夢中で追いかけた先には、必ず願ったことが叶うということを、たくさんの人に知ってほしい。

私が経験してきたからこそ言える。「願えば叶う。」

次のステージへ:伝える人になる

革花を作ることは楽しい。作り続けたい。そう思っていたのに、私がモヤモヤを感じていた理由。それは、「何か違う」と感じていた自分自身のつぶやきをずっと無視していたから。

私は、誰かが喜んでくれたら、私も嬉しいと思って販売を続けていた。でも、いつしか革花を作る楽しさより、「作って売らなければ、稼がなければ」という思いが大きくなったことで、楽しいと思えなくなってしまっていたのだ。

それが分かるまで、答えを探そうとして、ずいぶん遠回りしたけれど、今、ようやく私は私が願った方向へ向かっている。

「私は、革花という世界を、たくさんの人に知ってもらいたい。」

これが私の今一番したいこと。

「革花を作ってみたい」と強く願ったあの日から、毎日必死に革と向き合い、試行錯誤して、壁にぶち当たり、時に諦めそうになりながらも自分を信じ続けたこと。革花を作ることができるようになり、目標としていたブランドも立ち上げた。

やれることを精一杯やってきた8年間に、何の悔いもない。よく頑張ったと自分で自分をめいっぱい褒めたい。諦めずに、よくここまで来たね。頑張ったね。お疲れさま。その言葉で自分で自分を救った。

革花の未来を、次の誰かへ

2025年からは、これまでの8年間の経験を、今度は私のように壁にぶつかって悩んでいる人のために生かしたい。

革で花を作ってみたいと思ったとき、こんな風にしたらいいよ、こんな方法もあるよと、少しでも迷わず進めるように、私が経験してきた中で躓いたことをもとに、ブログや動画に残すことが、私の残りの人生で誰かの役に立てる方法かなと思う。

これまで、ずっと握りしめていた「自分でゼロから作ってきた」というプライドを捨て、ここからは、私以上に革花の可能性を、世界を広げてくれる人たちのために、全部伝えていくことにした。

こう思うまでにも、ずいぶん時間がかかったし、葛藤もあったけれど、今はもうない。やれるだけのことをやったのだから、自分と闘うこともしなくていいと思っている。ぎゅうぎゅうに縛り付けていた私自身を解き放って、持っているものを世界中にいる革花を作りたい人に渡そうと思う。

さいごに

人は変わることができる。それに早いも遅いもない。変わろうと思ったその時、その瞬間から、人は変わることができる。私もそうだったように。

あっという間に変われるほど、そんなに簡単じゃないけれど、本気になれば誰だって変わることができる。思いが強ければ、どんなことがあろうとも諦めずに前を向ける。

私が保証する。必ず、変われるから。自分を信じて。

 

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