世界一くわしい革花の専門書

革花(かわはな・レザーフラワー)の作り方や染色・成形などの技術記録とあわせて、革花作家としてものづくりを続ける中で、生きづらさから少しずつ抜けていった心の変化や考え方を綴っています。心を整える視点や日々の気づきを、暮らしと制作の記録としてまとめたブログです。

このブログは、革花作家としてものづくりを続ける中で、私自身が生きづらさから少しずつ抜けていった 心の変化や気づきを記録しています。 革花の技術の話も心の話も、どちらも「生きること」の一部として綴っています。

※「世界一くわしい」とは、一人の作家が歩んできた過程と気づきを、 技術と心の両面から、できる限り丁寧に残しているという意味で使っています。

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売れない時期が宝物に変わる。ハンドメイド販売を続けて見えた世界|販売当初に試したこと・気づき

※この記事は「革花作家|販売と心の記録」シリーズの第14話です。

▼ 第13話はこちら:
兄との葛藤とminne掲載で得た自信|革花作家として独り立ちを決めた理由

兄とレザークラフトをしながら、2018年からハンドメイドサイト「minne」で販売をはじめた私。それから約1年後、兄から独立することを決意した。

そこからは、すべて自分の力で作品を届ける日々が始まった。

 

ハンドメイド販売を始めた頃の世界観

2018年にminneで販売を始めた当初、実はまだ世界観も何も決まっていなかった。
革で作るアクセサリーという名目だけで活動していたため、ギャラリーはバラバラで「革を使っている」という共通点しかなかった。

それからしばらくして「革で花を作ってみたい」という思いが芽生え、やがて作品は革×花モチーフへと定着していった。

販売当初に試したこと(出品・SNS・写真撮影)

販売を始めた頃は、まだ何も定着していない状態だったため、とにかく思いつくことは何でもやってみた。

  • 作品を作り続け、週1~2回コンスタントに公開

  • インスタグラムで制作の裏側を発信

  • 新作のお知らせ(販売開始日など)

  • 作品写真の撮影

  • 作品ページの内容をテンプレート化

  • 発送までの流れを確認

ハンドメイド販売を一人で続けるための効率化

色々やっていくうちに、一人でこなす業務があまりにも多いことに気づき、早めに効率化を始めた。

作品制作~発送の流れで最も優先したいのは「作品を作る時間」。
だからこそ、短縮できる部分は工夫をした。

  • 作品ページは「書く内容の構成」をテンプレ化してコピペ

  • お客さまとのやり取りも基本文を用意しつつ、一言を添えて温かみを残す

  • 発送時のラッピング資材はすべて手が届く場所にまとめるなど

ネット販売で欠かさなかった手書きメッセージ

効率化を進めながらも、最後まで必ず続けたのが「手書きのメッセージカード」。
インターネット販売だからこそ、人と人のつながりを感じてもらいたい。
作家の温度を伝えたいという思いから、販売を辞めるまで続けた習慣だった。

ハンドメイド販売を続けて気づいたこと

価格設定に悩んだ日々

販売を始めて最初に直面したのは「価格をどうつけるか」という問題だった。
革花アクセサリーは当時まだ珍しく、市場調査をしてもライバルがいないため基準が分からず、とても困った。

よく「原価の3倍で設定」といわれるが、ハンドメイドでは限界があるし、収入としても成り立たないことをイベントで痛感していた。
そこで私なりに「基本の価格設定」を作ることにした。

材料費(牛革)×3 + パーツや資材(ラッピング含む)+ 人件費(制作にかかる時間)= 販売価格。(送料は別で考える)

最初は1500円前後の価格帯が多かったが、デザインにオリジナリティが出てきてからは、少しずつ価格にも差別化をつけていった。

売れない時期に学んだこと

販売を始めて数か月、ほとんど収入にならない時期が続いた。
けれど、その時間は「自分の得意や魅力を自覚するための時間」だったと今は思う。

イベントではお客さまの生の声が聞けるが、ネット販売では反応が見えない。だからこそ、自分の目で作品を見直し、工夫を重ねるしかなかった。

  • 売れない時期は作品を磨くことに集中する

  • アクセス解析にとらわれず、写真や説明文を研究する

  • 「ここを見てほしい!」というこだわりを言葉にする

この積み重ねこそが、自分の作品を育ててくれるのだと気づいた。

少ないアクセスから見えた自分らしさ

最初の頃はアクセス数が一桁の日々が続き、心が折れそうになった。
それでも続けられたのは、少ないアクセスでも販売につながったからだ。

アクセス数は単なる数字であって、多いから売れるとは限らない。
むしろ、大切なのは「心から欲しいと思ってくれる人に届くこと」だった。

革花はニッチなジャンルだから認知されるまでに時間がかかった。
けれど、世界中に発信できるインターネット販売だからこそ、必ず見つけてくれる人がいる。

そして実際に出会えたお客さまは、本当に温かい人ばかりだった。
「デザインが可愛い」「プレゼントに喜ばれた」「ご褒美に買ったら想像以上に気に入った」…そんな声をもらうたびに、作品以上の宝物を受け取っていた。

インターネット販売は「モノを売る」だけではなかった。
お客さまの存在が、私自身の「自分らしさ」を引き出してくれたのだと思う。

ハンドメイド作家として今につながる学び

作品の軸は経験から育つ

最初の頃は、軸が見つかるまでとにかく作ること。
完璧を目指す必要はなく、今できる100%を出し切ることが大切だ。
完成したら、その作品の良さを周りに伝える。
その繰り返しの中で、自然と自分の軸が見えてくる。

比べずに積み重ねること

すべては経験からしか得られない。
だからこそ焦らず、周りと比べず、自分らしさを全部出し切るつもりでやること。
「初めて」は誰にでもあるし、みんなが同じように通ってきた道だ。
誰かと比べた瞬間に、自信をなくしたり、余計なことを考えてしまう。

自信は経験から生まれる

最初に大切なのは、経験を積むこと。
それが一番のミッションであり、続けることでしか手に入らないものだ。
自信は「つける」ものではなく、経験を重ねた結果「いつの間にか身についている」もの。
それが本当の自信だと思う。

積み重ねが支えてくれるハンドメイド販売の歩み

兄から独立する前から始めたインターネット販売。
もちろん最初から順調だったわけではなく、売れない時期も長く続いた。

けれど、兄と一緒にイベントに出展し、販売の基礎を学んでいたことが大きな土台となり、めげずに続けることができた。

独立に至るまでには、数えきれないほど悩みがあった。
「意味はあるのか」と考えすぎて動けなくなったり、悔しさで立ち止まったり。
それでも、そのたびに立ち上がってきた。

今思うのは、誰だって同じ道を通るということ。
一気に飛び越える近道などなく、何をするにも「積み重ね」がなければ成長も突破もできない。

だからこそ、目先の売上や他人の背中を追うのではなく、目の前の自分の人生を見つめて歩くことが大切なのだと思う。

30代後半を迎えた私は、ここから「自分の運命を生きる」ために歩き出す。


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関連作品:

この記事は、「革花作家|販売と心の記録」というカテゴリの中の一編です。
2017年に革花を始めた当初からの、販売の葛藤や気づき、そして自分自身と向き合ってきた過程を時系列で記録しています。
革花作家|販売と心の記録

 

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