世界一くわしい革花の専門書

革花(かわはな・レザーフラワー)の作り方や染色・成形などの技術記録とあわせて、革花作家としてものづくりを続ける中で、生きづらさから少しずつ抜けていった心の変化や考え方を綴っています。心を整える視点や日々の気づきを、暮らしと制作の記録としてまとめたブログです。

このブログは、革花作家としてものづくりを続ける中で、私自身が生きづらさから少しずつ抜けていった 心の変化や気づきを記録しています。 革花の技術の話も心の話も、どちらも「生きること」の一部として綴っています。

※「世界一くわしい」とは、一人の作家が歩んできた過程と気づきを、 技術と心の両面から、できる限り丁寧に残しているという意味で使っています。

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革の薔薇(バラ)の作り方|染め直しと葉・ガクで完成度を高めるコツ【革花制作日記③】

今回の記事は、革の薔薇の作り方【革花制作日記②】の続きです。

前回、バラを染めて一旦完成したものの、色がどうしても納得がいかなかったので、染めなおしました。

前回書いていなかった葉っぱやガクの部分についても、紹介していきます。

バラの革花が完成しました

革でできたバラの花。葉っぱが付いているバラ一輪を手に持っている写真

前回、久しぶりの革花作りが楽しすぎて、急いで染めてしまったため、色が納得できず作り直しました。

革花を作るとき、いつもどんな色にしようか迷うのですが、今回は、思い切ってオレンジにするか、この淡いピンクにするかで、かなり迷いました。

バラって、とても美しいけれど、単色で染めると単調な色合いになってしまうし、立体感を出すのが難しくなります。

私は、革花作りの魅力は【グラデーション】にあると思っています。あの絶妙な色の表現がとても好きなので、今回は淡いピンクにすることにしました。

バラの花弁の染め方のポイント

今回のバラの染め方は、基本編の染め方と同じ手順で染めています。

使った色数は4色です。

染めたいバラの色は、見本の画像でも何でもいいので、それを観察しつつ、似た色に近づけるように染めるとうまくいきやすいです。

全体を見るとピンクに見えても、じっくり観察すると意外と違う色合いが入っていることもよくあります。
その色が、挿し色になったり、鮮やかに見せるための大事な色だったりするので、ぜひ観察して染めてみてくださいね。

バラのガクを観察して表現する

一輪の革の薔薇を斜め下から覗いた画像。薔薇のガクが良く見える

私が革花を作るときに大事にしているのは、正面からは見えない部分。
裏側がしっかり作り込まれているだけで、花らしさがぐっと増すので、気を抜かずに作れたらいいなと思います。

バラのガクは、きれいな形というより、ねじれていたり、トゲがあるものもあります。
私は単に美しい花より、少し不揃いでクセのある花の方が好きなんです。だから、生花に比べると少し不細工かもしれません。

でも、それが個性になる。
私の作品を手に取ってくださるお客さまは、こういう部分を見て「kaoさんらしい」と言ってくれます。
きれいなだけじゃない、ちょっとクセのある革花=私の作品、と認識してもらえるのも嬉しいですね。

ガクも形やシワを観察して作ることで、より繊細な表現につながります。
あえて形をいびつにしたり、つまんだりしてクセを出してみるのも面白いですよ。

バラの葉っぱと染めの工夫

革で作られた一輪のバラ。葉っぱがより見える構図

今まで葉っぱには苦手意識があって、完成しても満足できることが少なかったのですが、今回はイメージ通りに作れて嬉しかったです。

葉っぱの難しいところは、植物によって微妙に形が違うことと、緑色の表現。
バラの葉っぱは丸みを帯びていますが、丸くしすぎても、その逆でも「なんか違う」と感じてしまう部分で、型紙を作るのに苦戦しました。

葉っぱにもトゲトゲがありますが、どこまで表現するかという意味では抽象化が難しいパーツです。
シンプルな線で作るからこそ難易度が高いのですが、今回は美しく仕上げられました。

バラの葉っぱの染め方のポイント

葉っぱといえば緑ですが、染料の緑は鮮やかすぎるため、そのまま単色で染めると違和感が出やすいので要注意です。

📌緑系の色見本を参考にしてみてください。

花弁と同じく、一瞬の判断で染めてしまうと必ず失敗します。

これまで、何度も染めてきて、何度も失敗しているので、これだけは断言できます(笑)

葉っぱの色は、全部同じ色に見えますが、植物には立体感があることで陰影が必ず生まれます。

革花を作るとき、単に立体感を出せば、植物と同じように陰影ができると思いがちですが、それは違います。

植物は、それぞれに花弁や葉っぱの厚みが違います。しかし、革は厚みが一定です。

植物らしさを表現しようと思ったら、その植物の厚みまでが表現できるような染め方と立体感を出すことが大切なんですね。

最初は難しいですが、繊細な革花を作りたい方は、単に作るだけでなく「表現」にも挑戦してみてくださいね。

革でできた一輪のバラ。はっぱが付いている

バラの組み立てのコツ

バラの花弁は一枚ずつが大きいため、組み立てにはコツがいります。

革花制作日記②でも触れましたが、ボンドで接着する場合は、「見えない部分に付ける」「乾いた後でも表から見えない工夫をする」のが大切です。

ボンドは乾燥すると独特のテカリが出るので、革に残ったまま乾燥するとそこだけ悪目立ちしてしまいます。
どの程度の立体感を出したいかを考えながら接着すると失敗しにくいです。

花弁が大きいバラは、立ち上げる形にするのが難しいですが、一枚ずつ手で固定しながら乾かすのがおすすめ。
一度接着してしまえば、型崩れすることはありません。

バラを作ってみて(まとめ)

しばらくぶりに作ったバラの花。染めがうまくいかなくてどうしようかと思いましたが^^;、無事完成できて良かったです。

ハードルが高いと思いがちなバラも、何度も作ればきっと上達するはず!
今後は、誰かのお誕生日にバラの革花を添えて贈ろうと思います♪

型紙販売について

このバラを作ってみたい!と思った方のために、型紙をご用意しました。
あなた色に染めたバラの革花を飾ったり、アクセサリーにしたりして楽しんでいただけたら嬉しいです。

バラの制作日記を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!

🌹バラの革専用型紙はこちらから

 


関連記事

今回の記事はシリーズ③です。

バラ|制作日記①デザインと型紙作り

バラ|制作日記②立体成形と組み立て

🌷 革花制作日記まとめはこちら
過去の作品とエピソードを一覧でご覧いただけます。

 

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