今回は、革を染める2つの基本的な技法「単色染め」と「グラデーション染め」についてご紹介します。
どちらも、革花作りには欠かせない大切な工程です。動画で手の動きを見ながら、染め方のコツを確認していただくのがおすすめですが、この記事ではその内容を文章で詳しくまとめています。
- 革を均一に染めるには?|単色染めのやり方とコツ
- 染料でグラデーションを作る方法|筆を使った染め方
- 染めた革を観察してみよう!乾燥後の見え方
- 花用パーツを準備しよう|細長い革の染め方
- おわりに|次回はいよいよ花の成形と組み立てへ
- 動画で使用した道具はこちら
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📌動画:【革染め・グラデーション染め】はこちらから
革を均一に染めるには?|単色染めのやり方とコツ
単色染めの基本手順
まず、革全体を水でしっかり濡らし、ウエスで軽く水分を拭き取ります。次に、銀面(表側)を確認し、染料にそっと浸して染めていきます。
革全体に染料が均等に行き渡ったら、裏返して床面(裏側)も染めておきましょう。最後にもう一度ウエスで余分な水分を拭き取れば、単色染めの完成です。
📌革に水分が多すぎても、少なすぎても染まりにくくなります。水加減が重要なポイントです!
水で濡らさずに染めたらどうなる?
あえて乾いたままの革を染めてみると、一見うまく染まっているように見えても、染まっていない部分やムラができてしまいます。
これは、革の内部に空気(気泡)が残っていることが原因。染料が入りにくくなり、均一に染まりません。だからこそ、最初に「水で濡らす」というひと手間がとても大切なんです。
単色染めのおさらい|ムラを防ぐポイント
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必ず水で濡らしてから染める
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革の表裏を確認する
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焦らず丁寧に作業する
この3つを守るだけで、仕上がりの美しさが格段に変わります。
染料でグラデーションを作る方法|筆を使った染め方
グラデーション染めの手順
単色染めと同様、革を水で濡らし、軽く水分を拭き取ります。銀面を確認し、染料を水で薄めたものを使って、まず革全体を薄く染めます。
ここからがグラデーションの工程です。
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薄く染めた革を乾かして、色の出方を確認
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筆を使って、中心から色を重ねていく
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濃淡をつけながら、徐々に外側へ広げる
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色の境目が気になる場合は、軽くなじませるように染め直す
📌ポイントは「薄く、やさしく」。何度も同じ場所を重ねるとムラになりやすいので注意!
グラデーション染め・おさらい
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染料は必ず水で薄めて使う
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革は染める前にしっかり濡らす
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最初に全体を薄く染めてから、濃くしたい部分に色を重ねる
グラデーション染めは、色を重ねることで美しい陰影が出ます。筆の動きをコントロールしながら、革全体のバランスを見て調整してください。
📌途中で色を確認したいときは、一度乾燥させてから再度濡らして染めると、失敗を防げます。
染めた革を観察してみよう!乾燥後の見え方
以下の画像は、染めた革を乾燥させた後の比較です。
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左:単色染め(きれいに均一に染まっている)
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中央:ムラ・気泡が出たもの(部分的に染まっていない)
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右:グラデーション染め(中心からやさしく色が広がっている)
同じ染料を使っても、染め方によって仕上がりが大きく変わることが分かります。
📌染料の種類や濃さによっても発色が変わるので、いろいろ試してみてくださいね。
花用パーツを準備しよう|細長い革の染め方
以下のような、5mm × 4cm程度の革を、花と同じ染料で染めておいてください。
このパーツは、花の組み立て時に使います。 次回の動画で登場するので、あらかじめ準備しておくとスムーズです。
おわりに|次回はいよいよ花の成形と組み立てへ
今回は、単色染めとグラデーション染めという、革花作りの基本となる染色技法をご紹介しました。
「染め」は私が革花作りの中で一番好きな工程です。 その楽しさや奥深さが、少しでも伝わっていたら嬉しいです。
💬 ご質問やわかりにくい部分があれば、お気軽にコメントでお知らせください!
次回はいよいよ、基本編の最終回。染めた革を使って花の成形と組み立てを行い、あじさいの形にしていきます。 その後は、あじさいを使ったアレンジ方法も紹介する予定です。どうぞお楽しみに!
動画で使用した道具はこちら
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