「もっと上手に作りたい」「もっと自然な形にしたい」
そんな風に思っているあなたへ──
このページでは、初心者さんがよくつまずく失敗あるあるポイントと、それを乗り越えるためのヒントを、実体験をもとにまとめています。
初めての革花作りに、ぜひ役立てていただけたら嬉しいです。
💡 基本の作り方をご覧になっていない方
以下のページで全体の流れをご紹介しています。
▶︎革花の基本の作り方(動画あり)
🥇 花びらを切ったのに、ラインがガタガタになる!
──型紙、どうやって作ってる?まずは型紙作りを見直すのもいいかも
革花を作るときに、とっても大切な土台となる“型紙”。
特にレザークラフトにおいては、型紙が一番大事といっても過言ではないと思います。
もし手書き型紙を使っていて、革を切った部分がガタガタになっているとしたら、まずは用意された革花用の型紙を使ってみるのも手です。
💡 解決のヒント:▶︎革花の型紙一覧
私も、革花作り初心者だったころは手書き型紙で作っていましたが、線を美しく描くというのは本当に難しく、特に革を切るための型紙だとしたら到底うまくいきません。
花のひらひらとした形を表現するのと、型紙をガタガタに切るのとでは全く意味が違うのです。
私自身、過去の自分に渡したいものがあるとしたら、迷わず「型紙」だと答えるほど。あるかないかで仕上がりに雲泥の差が出ます。
もし、ご自身でデジタル型紙が作れる環境があるようでしたら、ぜひ取り入れてみてください。
──「型紙通りに切ったはずなのに…?」そんなときの原因とヒント
型紙通りに切ったとしてもうまくいかないことって、実は初心者あるあるです。
型紙を写した線を、時間をかけて丁寧に切ったはずなのに、なぜかあとで見ると断面がガタガタに…。そうなると作る気持ちが萎えてしまいますよね。
実は、革の厚さが影響しているかも?
あなたが今、作ろうとしているのは、どんなものですか?そして、作りたいものは、どんな大きさのものですか?
革で花を作ろうとしたとき、気を付ける必要があるのは革の厚さ。
―作りたいものの大きさが大きいものであれば、革は厚めのものを。小さく繊細なものであれば、薄いものを使うのがおすすめです。
厚い革は、厚みがある分、切る角度によって斜めになったりガタガタになりがち。一方、薄い革だと、紙を切る感覚で切れるため、厚い革を切るより難易度が低く、上達が早いと思います。
💡 解決のヒント:特に革選びは慎重にした方がいいと思うので、下記の記事を参考にしてみてください。使用する革の厚さについてのヒントも書いています。
革をカッターで切るときのポイント
カッターは、革を直線で切るのはとても得意ですが、曲線を切るのには技術が必要です。特に、革で花を作るのであればなおさら。
革を花の形に切るとき、もっとも大切にしたいのは曲線の美しさ。しかし、カッターで繊細な曲線を切るのには限界があります。
過去の私も、どうにかカッターで切れないものかとレザークラフト感覚で切っていたこともありますが、どんなに新しく切れるカッターを使ったとしてもうまくいきませんでした。
カッターは、革を切るとき、手前に引く力が働いて革を引っ張ってしまい、切った革の断面がつれてしまうためガタガタになりやすい。ということから、はさみで切ったほうが曲線が美しく仕上がるという結果に。
💡 解決のヒント:革に対して、カッターの刃が直角に当たっているか・ゆっくり丁寧に切っているか
基本中の基本なので、書くまでもないのですが、紙ではない素材を切ることってあまりないと思うので、念のために書きました。意外と当たり前のことでも、素材が変わるとうまく使えなかったり、思いもよらぬクセに気づくことがあります。
道具の合う合わないというのは誰しもあるので、必ずしもカッターが向いていないというわけではなく、あれこれ試してみて自分に合った方法を探すのが一番の近道です。
革をはさみで切るときのポイント
革を曲線に切ることにおいては、個人的に、はさみが一番向いていると感じています。
ただ、はさみも万能というわけではありませんし、どんなはさみでもいいわけではありません。はさみの切れ味と使い勝手が合っていなければ、美しい曲線には切れないのです。
💡 解決のヒント:
- 革とはさみが直角になっているか確認する(はさみの刃が倒れないように)
- はさみの持ち方を意識する(力が入らない持ち方を工夫する)
- 1ストロークで切ることを意識する(何度も刃を入れない)
- 切れ味の良いはさみを使ってみる
はさみは、革を切ると特に切れ味が落ちやすい消耗品です。過去にさまざま試した結果、これが一番よかったというものをこちらの記事で紹介しています。
🥈 成形しても全然ふんわりしない!真っすぐなまま…
──「なぜふんわりきれいにできないの?」実は“見えない力”が足りてないかも
これまで、革花を立体的にふんわり見せる「基本の道具」をお知らせしてきましたが、あれは「革花を作ってみたい!」と思い立ったときに、すぐ準備できるような内容になっています。
もし、もっと美しい革花が作りたい!立体的な花を作りたい!とお望みでしたら、道具への投資も考えてみるといいかもしれません。
100円ショップで揃う道具でももちろん初歩的なことはできますが、どうしても限界があります。革に立体感をつけるには、道具×道具の組み合わせによって、最大限の力を発揮することで表現の幅が広がるのです。
もし、あなたが革花作りをもっと充実したものにしたいとお望みでしたら、下記のスポンジマットを使ってみるといいと思います。弾力のあるマットを使うことで、革の厚みにかかわらず、思うような立体感をつけることが可能になります。
革花を作り始めたころ、なかなか立体感が思うようにつけられず、イメージしていたものとは違う仕上がりになってばかりで、がっかりした日々が今では懐かしいです。
あなたが、革花をもっと美しく仕上げたいと思うのでしたら、このマットがあることで表現の幅を広げてくれる第一歩を踏み出せること間違いなしです。
💡 補足のヒント:立体成形に必要なのは、道具の工夫。必要最低限の道具として、このスポンジマットは揃えて損なし!
▶︎ スポンジマットの紹介はこちら
🥉 重ねたらボテッとした仕上がりに!なんか可愛くない…
──革花が「ボテッ」と見える問題を考える
ふだん生花を見慣れている私たちは、革の花の完成形を思い浮かべたときも、きっと似たようなイメージをすると思います。
花って…ふんわり・軽やか・華やか…そんなイメージだと思います。
でも、革で花を作ってみたはいいものの、どうしてもボテっとしていて、野暮ったくて、なんか古臭いデザインに見えてしまったりしませんか?
それって、私も経験があるのですが、答えは「革が厚いから」だと予想しています。
革で花を作ろうと最初に思った時、あまりお金をかけたくないから端革で作ってみようと思って購入してみたけど、完成したものを見ると「あれ?」ってなってしまう感覚がありました。
いつも目にしている花を革で作ると、脳内でちょっとした感覚のズレが出てくると思います。イメージでは、いつも見ている花を作ったはずなのに、なぜか完成品は重苦しく感じる。それが感覚のズレです。
革って、レザークラフトで見ると重厚感や高級感があって素敵に見えますが、革花に限ってはそうではないと思っています。
個人的見解ですが、花は、イメージのなかにある花だから、花として成立しているのだと思います。それが重苦しい花になったとたん、イメージとのズレを感じてしまい「なんか違う…」という思いが出てくるんです。
私が、革で花を作りたいと思ったきっかけは、レザークラフトで作った革小物や財布などにある重厚感を、いい意味で裏切りたい。「これって本当に革ですか?」といわれるほど、革らしからぬ軽やかさと華やかさを持った花を作りたいと思ったのがきっかけです。
この、革で花を作るとボテっとして見える問題を解決するまでに、「なぜそう見えるのか」が自分の中で腑に落ちるまで、だいぶ時間を要しましたが、今ならその答えが私の中にあります。それが、革の厚みです。
表現したい雰囲気になるまでいろいろ試すしか方法はありませんが、私のブログの中には革の選び方や、革花に向いている革の厚みも紹介していますので、ぜひご覧ください。
💡 解決のヒント:革花に最適な革の選び方
──どうしたら可愛くなる?作り方の工夫
あなたがイメージしている、革花の「かわいい姿」ってどんなものでしょう?
ふわふわ?きれい?ひらひら?どんな言葉でもいいので、イメージしたものを言葉にしてみるのはいかがでしょうか。
その言葉にしたイメージを、今度は革花に向けるだけでいいのですが、それがなかなか難しいのが現実問題。結局は、たくさん作って、想像した形に近づけていくしかないのですが(数をこなすという意味で)、初めての革花って難しいですよね。
そんなときは、「まねしてつくってみる」これが一番の近道だと思います。
私には、作りたいと思う革花を作っている人がいなかったため、ここまで時間をかけて作るしかありませんでしたが、これを読んでいるあなたは違います。
もし、「こんな革花が作りたい」と思うような、目標とするイメージの作品を作っている方がいらしたら、どんな風に作っているのかよく見てまねしてみてください。
「かわいい」のイメージも人それぞれなので、かっこよく作りたい人もいれば、かわいらしく作りたい人もいるはず。ですので、ここでは、あえて答えとなるものは明記しません。あなたが作りたい!と思う作品を、よく見て、まねして作ってみる。それだけで、あなたが思う「かわいい」に近づけると思います。
💡 解決のヒント:リアルと抽象化
私が革花作品を作り続ける中で感じたことをまとめています。このページ内の「革花作品のリアルと抽象化」という項目から、ぜひ読んでみてください。作品作りのヒントになると思います。
──垢抜ける!革花のヒント
ファッションやメイクなどで、よく聞く「垢抜ける」というキーワード。これって何でしょう?
私が思う垢抜けるって、「個性」で人と差をつけるってことだと認識しています。
ただ、「人と差をつける」とカッコよく言いましたが、人よりずば抜けていないとダメってことではなく、ほんのりと自分らしさを足すだけで十分だと思います。
革花という世界でもそれは同じで、あなた自身が作りたい形に作り、染めたい色で染めるだけでいい。本当にそれだけです。
最初は誰かのまねから始まってもいいと思います。そこから、少しずつ自分が好きな方へ進んでいくだけで、あなたにしか作れない世界が完成します。
「垢抜ける=オシャレ」だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、誰かが決めた答えに乗っかることがおしゃれなのではなく、存分に表現したものが垢抜けたオシャレなんじゃないかと私は考えます。
ほんの少しの個性が光る、あなただけの革花を作ってみてくださいね!
さいごに
この記事は、「革花を作ってもっと上達したい」「もっと素敵に仕上げたい」と思っている方へ向けて書きました。
道具や技術的なこと、そして革花に対する考え方まで、私自身の経験をもとにまとめてみましたが、こうして文章にしてみると──まだまだ伝えきれていないことがたくさんあるなと、あらためて感じます。
それでも、ここに書いたことはすべて、私が革花を始めた頃に“本当に知りたかったこと”ばかりです。
もしこの先、今はピンとこなかったとしても、いつか制作に迷ったり、つまずいたときに、このページを思い出して、また読み返してもらえたら嬉しいです。
「革花を作る」ということは、単に“モノを作る”ということではありません。
それは、作り手であるあなた自身が「夢中になれる時間を楽しむこと」であり、「作っている間だけは他のことを忘れられるような没頭のひととき」だと思うのです。
もしあなたにとって、そんな風に夢中になれる存在が革花であるなら──私はそれだけで、とても幸せです。
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