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ピアスやイヤリングが完成したあと、ブローチを作り始めた。
今回の紫陽花は、これまでとは少し違って、ひとつひとつの花のサイズが大きめ。
その分、グラデーションがよく映えて、眺めるのも楽しい。
どれをとっても同じ色がひとつもなくて、つい、じっくり眺めてしまう。
そんなブローチにしたいなと思っていた。
ひとつは、過去にいくつも作ってきた丸い形のブローチ。
そして、もうひとつは…
私が以前から作りたいと思っていた作品。
金具の形状に左右されない自由なデザインと、革らしからぬ優しい雰囲気に、花弁のゆるやかな動きのあるもの。
いつもなら、ノートに書いたデザインから考えるけれど、今回は考えるより先に手が動いた。
作りたいと思っていたのは、ブローチピン以外の部分が革100%でできたもの。
紫陽花の花弁をふんだんに使った、華やかな形。ブローチとしての存在感はもちろん、飾って楽しむことができるサイズ感。
そして、ずっと眺めていたくなるようなグラデーションカラー。
そのすべてを叶えるために、ただ黙々と革と向き合った。
革100%で作るといっても、これまでの私にとっては、口で言うほど簡単じゃなかった。
単に私の技術力が足りていなかったことが一番の理由だけれど、それ以上にハードルを上げていたのは、“革花アクセサリー”という実物より小さなサイズのものづくりゆえの難しさもあった。
簡単に作れる道具なんて存在しないし、かといって、道具さえあれば完成するものでもない。
想像している形を“作品”として表現するとしたら、それだけでは成り立たず、どうやって作るのかという“方法論”が必要だった。これまでは。
そうして、イメージしたものをどう表現するかでとてつもなく時間がかかっていた。
でも、今回に限っては、どうやって作ろう、とか、できないかもしれない、なんて考えなかった。
とにかく思いのままを形にしたら、想像していたよりずっと“表現したい形”に仕上がった。
ブローチが完成した時の興奮とワクワク感が、私の中に大きな波のように押し寄せた。
そのあまりにも優しい雰囲気に、革であることを忘れてしまう。
手のひらにのせると、一気に初夏が来たようで、心が弾む。
夏は、もう、すぐそこに。
次回、紫陽花2025・Vol.4では、完成した紫陽花作品を紹介します!
どうぞお楽しみに。
📌紫陽花・2025シリーズ制作日記
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