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生きる=ただ存在すること|ずっと誰かに話したかったこと

小高い丘の上にある紅葉の木。雄大な自然。

💬 「生きる=ただ存在すること」について、自然の中で、心のままに語りました。

  ラジオ感覚で声で聴きたい方は、こちらからどうぞ。
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革花ではなく、自然の中で話した日

お天気がよかったので、思い切って山の中へ。
紅葉が始まって、空気が澄んでいて、鳥の声が聞こえる。
こういう時間が、私は本当に好きなんです。

家の中にこもっていると、どうしても思考が固まってしまうけれど、
自然の中にいると不思議と心がほどけていく。
ただ風を感じて、息をしているだけで、「ああ、生きてるな」と思える。

誰もいない静かな場所で、ふと「もしこの世界に自分ひとりしかいなかったら」と考えたりもします。
でも、不思議と寂しくはない。
むしろ、何もいらないくらい穏やかな気持ちになるんです。

「売上」を追いかけて、見失ったもの

私はこの数年間、ずっと「革の花を作りたい」という思いだけで生きてきました。
遊びにも行かず、ランチにも行かず、ただ革花を作り続けてきた。

それを後悔したことは一度もありません。
だけどある時、ふと立ち止まったんです。
「このままでいいのかな」って。

本当は、革花を作りたかっただけなのに──
販売を始めた頃、「売上を上げなきゃ」と思ってしまった。
そこから、作りたいという気持ちよりも「数字を追うこと」が目的になってしまったんです。

そのことに気づかないまま、何年も過ごしてきました。
でも、今年の初め。
過去最高の売上を達成した時、なぜか素直に喜べなかった。

お客様には心から感謝していたけれど、
「私、何を追いかけてきたんだろう」って思ったんです。

「やりたいことをやってきたはずなのに、どうしてこんなに虚しいんだろう」
その時、私は初めて、自分が“お金”を追いかけていたことに気づきました。

忘れていた「純粋な気持ち」

私が本当にやりたかったのは、
「革花の美しさを伝えること」でした。

販売も、「喜んでもらえたら嬉しい」という気持ちから始めたのに、
いつの間にか「売上を上げなきゃ」「ちゃんとやらなきゃ」と思い込むようになっていた。

“ブランドを立ち上げたから責任を持たなきゃ”
“プロなんだから稼がなきゃ”

そう考えれば考えるほど、
「革花を作るのが苦しい」と感じるようになっていったんです。

ある日、ふと思いました。
たとえ売上がゼロになっても、もういい。
お金じゃない。

私が大事にしてきたのは、「作りたい」という気持ちそのものだった。
だから、同じように革花を作ってみたいと思う人のために、
自分が学んだことを“残そう”と決めたんです。

それでも「やめなかった理由」

正直に言うと、何度も辞めようと思いました。
収入が上がらず、苦しくて、自信をなくした時期もありました。

でも、ゼロから作ってきたものを手放すのはどうしてもできなかった。
技術だけ渡して「はい、私はやめます」って言うのが、
どうしても悔しかったんです。

だから今は、「ただ残すためにやっている」としか言えません。
でもそれでいいと思っています。

「やりたいから、やっている。」
ただそれだけ。

心が穏やかなら、それでいい

販売をしていた頃は、
「色が気に入らない」と言われたら謝って、
「納得いかない」と言われても頭を下げて、
心がすり減っていきました。

でも今は、
収入はほとんどないけれど、心が穏やかなんです。

自然の中でただ息をして、
家族に少しだけ優しくなれて、
「これでいい」と思えるようになった。

もしかしたら、旦那さんや子どもたちには迷惑をかけているかもしれないけど、
それでも、今の自分の方が穏やかで、正直に生きていると感じます。

最後に──

「生きるって何だろう」と悩んで、
追い詰められた時期もありました。

でも、今はこう思います。
生きる=お金を稼ぐことじゃなくて、ただ存在することでもいい。

大事なのは、心が元気であること。
それさえあれば、また何かを始められる。

だからもし、今苦しんでいる人がいたら、
「私みたいな人もいるよ」と伝えたい。

そして、たまには外に出て、風を感じてください。
それだけで、きっと少し楽になります。

あなたも、もしどこかで
「がんばりすぎているな…」と感じていたら、
それは、本当のあなたに戻るサインかもしれません。

🌙 心が疲れたときに読む、あなたを知るための手紙

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