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「どう生きたい?」という問いに出した答えは
“ありのままの自分で生きたい” ということだった。

今思えば、私は何を選ぶにも“自分”としての答えを出していなかった。
何が食べたい?と聞かれても「あなたに合わせる」と言っていた。
心から可愛いと思える服を見つけても、「若作りって思われるかな」と人の目を気にして諦めていた。
納得できないことがあっても、「すみません」と飲み込んで、丸く収めようとしていた。
本当は、自分が食べたいものを選びたい。
着たい服が着たい。
納得できないことには、「私はこう思う」と言いたい。
だけど私は、ずっとそれを押し込め続けていた。
波風を立てないように、迷惑をかけないように、“普通”からはみ出さないように。
「人から見てどうか?」
「正解はどっち?」
その基準で生きていたから、いつも肩に力が入っていたのだと思う。
「協調性がない」と言われ続けて、「人に合わせられない私は、わがままなんだ」と思い込んでいたけれど、今ならわかる。
人に合わせること=思いやりではない。
「私は、こうだよ」と、何の抵抗もなくYES / NOが言えること。
それが、本当の私を生きるということだった。
私は私を生きていたつもりだったけれど、
その生き方そのものが、どこか“他人の正解”の方に向かっていた。
そのことに、ようやく気づくことができた。
それじゃあ、私は今まで「自分らしく」いられた瞬間は、本当に一度もなかったんだろうか?
思い出してみると、実は、ずっとあった。
私が自分らしくいられたのは、誰かの話を聞いていたときだった。
子どもの頃は、母の話をただ聞いていた。
「話すと気持ちが軽くなる」と母は言ってくれた。
その後は、友達、同僚、初対面の人まで、なぜか心の内を話してくれた。
「そんなことまで話す?」と私が驚くほど、深い話まで。
看護師として働いていたときもそうだった。
落ち込んでいる人を見ると、放っておけなかった。
ただ近くにいて、耳を傾けていただけだったけれど、
「心が軽くなった」
「また頑張れそう」
「ありがとう」
そう言って笑顔で帰っていく人たちがいた。
そのときの私は、何も頑張っていなかったし、何かしてあげようとしていたわけでもなかった。
ただ、そこにいた。
そのままの私で。
それが、喜ばれていた。
なぜ私は「聞き役」だったんだろう?
それは、話すのが苦手だったから。
過去に、誰かの言葉に傷ついたり、自分の言葉で傷つけた経験があって、話すことに怖さがあった。
だから私は、聞く側にいた。
私は、人の人生の話を聞くのが好きだった。
十人十色の生き方や心の動きを知ることが、面白かった。
そこには、学びがあった。
そして気づいた。
聞くこと × 内観 × 自分に戻る
これが、私の土台だった。
【ただ、生きるということ】で、私は、何度も過去に戻りながら、自分自身と向き合ってきた。
そこで書いてきたのは、全部、私が本当に経験してきたこと。
「どうやったら自分を取り戻せるのか」を知りたくて、たくさん調べて、実践もした。
でも、それだけでは何も変わらなかった。
なぜなら、過去をただ思い出すだけでは癒されないから。
思い出したくない痛みや怖さ、悔しさに触れなければいけない。
それは本当に苦しいし、逃げたくなるし、向き合うには勇気がいる。
でも、そこにもう一度あの時の私を“迎えに行く”ようにして、感じ切れなかった感情を、今の私が認めることで、ようやく私は自分を許すことができた。
そうやって、「過去」と「現在」を何度も行ったり来たりして、少しずつ、私は本当の自分に戻ることができた。
そして、心からこう言えるようになった。
「私は私のままで良かったんだ」と。
「そのままの自分で生きたい」と願っていても、心の奥に、まだ向き合えていない過去が残っていると、今をまっすぐに生きることはできない。
そのことに、私はやっと気づいた。
私は、本当の自分に戻ったあと、やりたいことを見つけた。
私はこれから、
「本当の自分に戻るための伴走」をしたい。
この世界で、生きづらさを感じていたり、頑張りすぎて自分を見失っていたり、自分らしさを忘れてしまった人がいるとしたら、きっと私と同じように苦しんでいると思う。
だからこそ、私と同じように、過去を何度も行き来しながら、痛みと向き合ってほしい。
けれど、過去の出来事を掘り起こして、その時の痛みや怖さに触れることは、とても怖いし苦しい。
その先に、“本当の自分”に会いに行けると分かっていても、見たくない自分が出てくることだってある。
そんな時は、私が一緒にそこへ向かう。
一人で抱え込まなくていい。
誰かと一緒なら、過去の自分も、今の自分も、丸ごと抱きしめてあげられるから。
もし、今を生きるあなたが、生きづらくて、息苦しさを感じているのなら、
私は、あなたが自分を取り戻すその瞬間まで、一緒に歩きたい。
🎧 読むだけでは届ききらない部分を、声でゆっくりお話ししています。
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