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ハンドメイドで開業して気づいた「自由」と「不安」|自宅で働く生き方

公園で家族が手をつないで歩く画像

開業しても変わらない日常

私は、2017年から2021年まで、イベントに出展したり、インターネットで販売をしたりしながら、少しずつ技術と経験を積み重ねていった。

小さな一歩を積み重ねていった4年間だった。
「いつか革花を仕事にしたい」と思いながら、ずっと手を動かし続けていた。

そして、意を決して、2021年に開業した。

開業したからといって、それまでと何ら変わりない。ただ、責任が伴うということだけだ。

開業してから、一番不安だったのは、自分が仕事として収入を得ることが出来るかどうかということだった。

だれかに雇用されないということは、自分で仕事を作り、それを販売することで収入を得るということだ。

言葉にすれば簡単に聞こえるかもしれないけれど、実際のところ、ずっと同じように仕事をしていける保障などどこにもないわけで、不安の種はいつまでたっても消えない。

特に開業当初は、そんな一抹の不安が襲ってきた。

不安と自己責任を抱えながら生きる

開業して、夫の保険から国民健康保険へ切り替えることになったとき、手続きに行ったはいいものの「もし、不測の事態が起きて、保険が払えなくなった場合、どうしたらいいですか?」と窓口の人に聞いたことがある。

すでに、収入はある程度あったのに、不安が大きくて怖かったのだ。

「その時は、ご相談ください。」と言われた一言が、なぜか安心をくれたのを覚えている。

結局、開業してから今まで、保険料が支払えないということはないけれど、開業したてのころは何をするにも不安になった。

今思えば、自信のなさや、行動力など、未熟な部分が多かったからだと思う。

人生やってみれば、なんとかなるものだと思えるようになるのは、この数年後のことだ。

それでも私が「自分で働く道」を選んだ理由

不安と自由のあいだで揺れながら、それでも「この生き方でよかった」と思える瞬間があった。

私は、結婚してから、夫と決めたことがある。

それは、「子どもが小さいうちは、一緒にいる」ということだった。

私自身、子どもの頃、両親が共働きでほとんど母と一緒に過ごせず寂しい思いをした。

夫は、母が専業主婦でいつも家にいてくれたことで、寂しくなかったと言っていた。

子ども時代の寂しさは、いつまでたっても心に残る。あとでやり直すことさえできないのだ。

子どもに寂しい思いをさせたくない。そして、私もそばにいてあげたい。だからこそ、自宅にいることを選んだし、今でも良かったと思っている。

子どもが体調を崩したとき、いつでもそばにいてあげられること。

何かあっても、すぐに動ける状態にあることが、何より家族の安心材料となっていた。

時間の自由は、雇用されている時には得られないものだからこそ、人生にかなり大きな影響があったと思う。

どこかに行きたいと思った時、すぐに動ける状況にある。

ひとりきりで、仕事に集中できる。

仕事する日も、休日も、全部自分で決められる。

すべてが自由だ。

それを思うと、開業して良かった、と思う。

いいことばかりではないし、雇用されている時のように福利厚生はないけれど、それでも自分の人生に責任を持ち、自分で舵を取るということは、それだけ大きな影響があるということ。

自分自身が情熱をもってやりたいことがあるとしたら、たった一度きりの人生なのだから、挑戦してみてもいいと思う。


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