世界一くわしい革花の専門書

革花(かわはな・レザーフラワー)の作り方や染色・成形などの技術記録とあわせて、革花作家としてものづくりを続ける中で、生きづらさから少しずつ抜けていった心の変化や考え方を綴っています。心を整える視点や日々の気づきを、暮らしと制作の記録としてまとめたブログです。

このブログは、革花作家としてものづくりを続ける中で磨いてきた革花の技術とともに、 何か物事を成し遂げるには「心の在り方」が何より大切だという気づきを綴っています。

※「世界一くわしい」とは、一人の作家が歩んできた過程と気づきを、 技術と心の両面から、できる限り丁寧に残しているという意味で使っています。

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40代で転職して気づいたこと|仕事に感じていた違和感の正体

 

なんとなく感じていた仕事への違和感の理由が、ようやく分かった気がします。

仕事とは何なのかを考えた1年

2025年は、私にとって、「仕事とは何なのか」を深く考えるための1年でした。

過去数年にわたり、革花を「仕事にしたい」と思ってやってきたけれど、いつからか、「これじゃない気がする」という感覚がいつもどこかにあって、長い間モヤモヤしていました。

ただ、どうしてそう感じるのか分からなかったから、革花をひたすらに続けていた部分もあったと思います。

2026年の年初、「このままでは続けられない」という出来事があり、それまでの仕事の在り方を考えるきっかけになりました。

大好きなことを仕事にしたとしても、これから先、体力的に続けていけるのか。

新作を出し続けることができるのか。

同じ気持ちで、今後も続けていけるのか。

そして、「何のために、仕事をするのか」というところまで、深く考えるようになりました。

それまでは、生活するために働くのが当たり前だったけれど、そうではなく、「自分自身が誰かの役に立っていると感じられる働き方」がしたいと思うようになったのです。

革花を続ける中で感じていた違和感

もちろん、私が作った革花アクセサリーを心から求めてくださる方がたくさんいました。

お客さまとのやり取りも楽しかったし、商品を気に入ってくださる方からの言葉に、何度も救われました。

けれど、お客さまと直接的な関わりがあったわけではありません。

すべてがインターネット上で完結してしまうハンドメイド販売という仕事は、場所を選ばずにできるものです。

でも、やり取りの中でお客さまと直接話すことはできないし、商品に対する反応を直に見ることもできません。

たくさんの感想をいただいて、もちろん嬉しかったのですが、少しずつ、寂しさを感じたり、実際に生の反応が見たかったなと感じるようになっていきました。

8年間という長い間、自分ひとりで仕事してきたという経験ができた一方で、誰とも関わらずに完結する仕事に、物足りなさや、やりがいを感じられなくなっていきました。

人との関わりの中で気づいたこと

コロナが流行してから、世界中で人との関わりが一気に減ったけれど、誰とも関わらずに生きることはできないと身に染みて感じました。

文字や映像を通してやり取りできることは、とても便利です。

けれど、お互いの空気感や感情の揺れなどは、直接会うことでしか伝わらないものだとも思うのです。

コロナが流行する以前は、人との関わりがありすぎて距離感が分からず、人間関係って煩わしいものでしかないと思っていました。

自分の気持ちを無視して、相手の気持ちばかりを考え疲弊してしまうから、もう誰にも会いたくないし、しんどいとさえ思っていたのです。

コロナが流行したことで、ある意味、私にとってはそれが叶うという現実が起きたのですが、それを経験して、「なぜ人との関わりが大切なのか」を思い知らされることになりました。

コロナ禍で一番強く感じたことは、

・人はひとりでは生きていけない。
・生活のすべてに、人が関わっていて、その人たちのおかげで生かされている。

ということでした。

頭では分かっていても意識したことがなかったし、正直心の中では「そんな当たり前のこと」と思っていました。

でも、コロナ禍で生活がストップしたとき、初めて、自分だけでは生きていけないことを身をもって体験したし、当たり前に生きているようでそうではないことも知りました。

衣食住に関わることのすべてに、誰かの手がかかっていて、簡単に手に入れられる環境が整っていることも知りました。

それが、本当は当たり前ではないと分かったとき、「私に足りないものはなんだろう?」と思うようになったのです。

「温度」に気づいたとき

作品を作って販売するとき、直接的に渡すことができない「何か」があったんじゃないか。

それが、人との関わりの中で感じる温度だったのだと気づきました。

物として存在する形は渡せても、心という無形のものは直接的にしか渡せない部分も大きいと思います。

私の場合、作ったものを販売するために発送して終わり…という流れだったので、心のやり取りはほぼありませんでした。

そこが寂しさの理由であり、「何か違う」と感じた理由のひとつだったのかもしれません。

感謝の言葉ひとつにしても文字でしか伝えられないもどかしさがあったし、文面から伝わる部分があったとしても、そこから表情を読み取ることができません。

だからこそ、直接的に人と関わる仕事がしたいと思ったのだと思います。

今の仕事で感じている変化

今、私はまったく違う業界の仕事をしています。

以前の私だったら人との関わりが煩わしくて、感情が揺れ動いて疲弊していたと思いますが、今ではそんなことはなくなりました。

一緒に仕事をする仲間がいて、分からないことを丁寧に教えてくれる環境があることそのものが、私に「生きている」と感じさせてくれます。

人間関係の中で起きる感情の揺れはあったとしても、過去の経験があるからこそ、どんなことがあっても楽しい、面白いと思えるのです。

そして、まったく違う業界だからこそ、新たな世界を知ることができるという好奇心と、「もっと知りたい」「もっとできるようになりたい」という思いでいっぱいなのです。

過去に悩んでいたあれこれを思うと、目の前にないことを考えてネガティブになっていただけで、実際外に出てみれば、それが取り越し苦労だったのだと分かります。

自分らしくいられるようになった今

仕事を外でするようになってからの一番の変化は、自分らしくいられるようになったこと。

格好つけたりせず、分からないことを分からないと言える。

変に理解のある人を演じたりしない。

無駄に関わりすぎないで、ちょうどいい距離感を保つ。

8年間、ずっとひとりで仕事していく中で、以前よりほんの少し楽ちんに生きられるようになり、今では毎日穏やかで、ちょうどいい刺激があります。

そう思えるのは、年齢的な部分が大きいかもしれません。

けれど、やはりその年齢相応の感じ方があり、その時にしか悩めないこともあるんだなというのが、今の私が感じていることです。

生きていれば、悩みは付きもの。

それが煩わしいと感じることだってあるし、誰とも関わりたくないと思うことももちろんあります。

ただ、そう感じるのには必ず何かしら理由があって、それが分かったとき、ようやく次のステップに進めるのだということも付け加えたいと思います。


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