今回は、染料3色でプロっぽい陰影を出す方法をお伝えします。
ひまわりを作りながら、たくさんのポイントやコツなど盛りだくさんの内容になったので、革花作りのヒントにしていただけたら嬉しいです。
- 革花のひまわりに使う染料3色と選び方のコツ
- 革を染める手順①:全体を明るい色で染める理由と方法
- 革花のグラデーション②:中間色の入れ方とコツ
- 革花の染め方③:影色を入れて立体感を出す方法
- グラデーションの比較と筆染めが難しい理由
- さいごに
動画はこちら→https://youtu.be/jP3A2yEGTe8
今回も無料の型紙をご用意しています。リンクからダウンロードして使ってください。
※作品のサイズに合わせてコピーしてお使いください。
革花のひまわりに使う染料3色と選び方のコツ
今回、ひまわりなので黄色系の染料を3色準備してみました。
左から、明るい色・中間色・影色というふうになっています。
お花を染める時に1色だけで染めてしまうと、どうしても影色がないとのっぺりした感じのお花になっちゃうんですね。
なので私の場合は、大体3色ぐらいで陰影を出すようにしています。
基本編との違いは「色数」
基本編では、グラデーションを作る時に、1色で全体を淡く染めて中間を同じ染料で染めるという方法を紹介しています。
今回はそれを、3色で染めることで、陰影のある表現にします。
染料を重ねる順番と流れ
まず一番明るい染料でひまわり全体を染めます。
次に少し濃いめの中間色で、花びらの半分ぐらいまでを染めて、最後に、中心の軸の部分より少し大きめに影色で染めると陰影をつけることができます。
黄色系で統一しているのがポイント。これが一番簡単な陰影の出し方です。
色選びのポイント|同系色でまとめる理由
陰影の出し方はさまざまあります。
私は水彩画が好きなので、水彩画の影のつけ方をよく参考にさせてもらっています。
革の染料の茶色にはたくさん種類があって、黄色に近い茶色・緑に近い茶色・焦げ茶など、いろいろ。
できるだけ、一番明るい色に近い系統の色を選ぶのがおすすめです。
たとえば今回はひまわりなので黄色にしていますが、もし緑を使うなら緑系の色を集める。紫なら紫系を集める。そうやって色を合わせていくと、花の色が違和感なくまとまります。
革を染める手順①:全体を明るい色で染める理由と方法
まず最初は、革は水で濡らして水分をふき取った状態で銀面から染めます。(基本編と同様)
まずは一番明るい色で全体の花びらを染めていきます。
※ぜひさまざまなサイズでひまわりを作ってみてくださいね。ひまわりはブローチやピアス、ネックレスなど、使うと可愛いです!
なぜ最初に革全体を染めるの?
私の革染めの方法を見ていて、「どうして一番最初に革全体染めるんだろう?」と、疑問に思ったことありませんか?
実は全体を一旦染めないと、革って厚みがあるので、断面だけが元の色のままになってしまうんです。
紙のように薄ければ問題ないかもしれませんが、革の厚みのぶん、切った断面(コバ面)だけ色が入らず、染めていない元の革の色が出てしまうんですね。そうすると、すごく雑に染めてるように見えてしまいます。
また、花の根元など、立体成形をしたときに、革の色が見えてしまうことがあります。私はそれがちょっと嫌で、以前は筆で断面(コバ面)を染めたりしていました。
でも、色の濃さがバラバラになってしまって、どうしたらきれいにできるかと考えた結果、「全体を染めるのが一番きれいだな」と思うようになりました。
また、コバ面だけでなく、裏側をひっくり返したときに、裏面が染まっていないとなんだかお花っぽく見えない気がするんです。なので、全体を染めることにしています。
📍ぜひここは飛ばさずにやってほしいポイント!仕上がりが全く変わります。
全体染めのあとの色が薄いときの対処法
全体染めのあと乾燥した革は、少し色が薄くなります。色が足りないなと感じたら、もう一度全体を染め直すか、エアブラシで上から重ねてみてください。
全体染めの染料に足した水の量が多いと、薄くなりがちなので、染めるときには少しずつ調整しながらやってください。水の量や濃さは好みで調整してOKです。濃い色が好きな方は濃いめに、淡いのが好きなら淡く染めてみてくださいね。
📍エアブラシを使う方への補足ポイント
色替えの際は、以前も動画で紹介した通り、使っていた染料をしっかり出してから、新しい色を入れてください。水も何度も入れ替えて、混ざらないように注意しましょう。
革花のグラデーション②:中間色の入れ方とコツ
次は中間色を入れていきます。
3色の中で中間色にあたる色を、花びらの中心から半分ぐらいまで染めていきます。
これは筆でも同じやり方でいいです。私はざっくり半分ぐらいをふわっと染めて、徐々に中心に向かって濃くしていく感じでやっています。今日は少し強めに色を入れていますが、半分ぐらいまで染めると陰影がしっかり出ます。
革花の染め方③:影色を入れて立体感を出す方法
最後に影色を入れます。
ここは好みですが、いきなり周りだけを染めると不自然になるので、中心から染めて、徐々に周囲へ色を広げていくイメージで進めるとよいです。
思ったより少ない色でも、影色を入れるだけで印象がまったく変わります。ひまわりは黄色が主ですが、影の色は黄色ではないので、しっかり見てみると納得できると思います。
ここで一旦乾燥させ、足りない色は、あとからまた足していきます。
グラデーションの比較と筆染めが難しい理由
乾燥後の状態を比べてみると、左は影色が薄め、右は濃いめ。
全然表情が違います。
📍エアブラシと筆の違い・使い分けのポイント
どちらもエアブラシで染めたものですが、筆でここまでの淡い影色を入れるのはとても難しいです。筆だとどうしても筆跡が残ってしまうし、最初に筆を置いたところが一番染料が濃く入ってしまうからです。
私は筆でグラデーションを入れるのが苦手だったので、エアブラシを使っています。もし、グラデーションがどうしてもうまくいかないときは、エアブラシを検討してみるのもいいかもしれません。
👉エアブラシの選び方ガイドはこちら
作品の表現に合わせた陰影の出し方
影色を入れるかどうかは好みで構いません。
でも、立体的に見せたいなら、影色を入れて3色で染めていくのが一番おすすめです。
ぜひ意識して染めてみてください。
さいごに
今回は、染めに関してのことを中心に、たくさんのポイントをお伝えしてきました。
普段はここまで詳しく話すこともないんですが、今後は花によって違う「作り方のポイント」なども伝えていけたらと思っています。
ひまわりは、ここ数年ずっと作ってきた、思い出深いお花。
たくさんの方に、楽しんで作っていただけるような内容になったらいいなと思っています。
みなさんの革花作りのお役に立てたら嬉しいです。
📍次回は、今回染めたひまわりの立体成形~完成までを紹介します。
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