世界一くわしい革花の専門書

革花(かわはな・レザーフラワー)の作り方や染色・成形などの技術記録とあわせて、革花作家としてものづくりを続ける中で、生きづらさから少しずつ抜けていった心の変化や考え方を綴っています。心を整える視点や日々の気づきを、暮らしと制作の記録としてまとめたブログです。

このブログは、革花作家としてものづくりを続ける中で磨いてきた革花の技術とともに、 何か物事を成し遂げるには「心の在り方」が何より大切だという気づきを綴っています。

※「世界一くわしい」とは、一人の作家が歩んできた過程と気づきを、 技術と心の両面から、できる限り丁寧に残しているという意味で使っています。

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ものづくりと仕事、どちらも諦めない|40代ハンドメイド作家の職探しのリアル

ものづくりがうまくいかなくなって、職探しをする人もいると思う。
しかも40代で。
でも、現実はそう簡単じゃない。

革花は、今も私にとって大切なもの。
だけど、夢ばかり見ていられないのも事実で、生活には収入が必要だ。

それでも私は、「どちらかを諦める」のではなく、自分の思う道を選ぶという選択肢を持っていたい。

きれいごとだけじゃなく、ちゃんと現実を見たうえでの話として、今の私のことを書いてみようと思う。


ものづくりを8年間やってきて、私の中でそれが終わりを迎えたあと、現実と向き合う時間が訪れた。

今までやっていたことをすべて手放したことで、収入がなくなった。

家族に迷惑をかけてしまうかもしれないからと、その不安をひた隠しにしていたけれど、とうとうどうしようもないところまで来て、夫に伝えることにした。

もちろん、手元に貯金はあったけれど、あと何か月それが持つのか、もし今、私が病気になってしまったら、夫に必ず迷惑をかけてしまう。

そんな状況になってからのことだった。

私は、自分の弱さを夫にも見せられないまま、結婚生活を送っていたことに気づいた。

思えば、夫に悩みを聞いてもらうことも、目の前で泣いたこともあまりなかった。

だから、夫は私がそんな話をしてきたことにまず驚いていた。

全部伝えたら、それまで胸の奥底にあった重いものがなくなったように感じるほど、とても心が軽くなった。

ものづくりを続けるのか、やめるのか

夫は、8年間もがんばってきたのだから、規模を縮小して、やれる範囲でやったらいいのでは、と提案してくれた。

けれど、私の中で、革花を販売することに対して、もう心が動かなくなっていたこともあり、販売することはやめたいと思っていた。

同時に、それまでのキャリアを捨てることになるため、辞める決断をするにも勿体ない気がして、なかなか決断できずにいた。

ゼロから作ってきた革花を全部手放すことに、やはり抵抗があった。

けれど、販売をやめるのであれば、それはもう仕事としては成り立たない。

つまり、収入をどうやって得ていくのかを考えなければならないということ。

私は、革花を誰かに伝えていくことは続けたいと思っていたけれど、制作や販売をすることはもうしないということだけを決めていた。

それならば、やりたいことをやりつつ、仕事を探そう。

そこから、私は、転職活動をすることにした。

40代ハンドメイド作家の職探しのリアル

もう、ものづくりで収入を得ることをやめようと決めたのはいいものの、いざ職を探そうとしても、気づけば40代。

気力・体力的に、自分ができる仕事は何かを探してみるが、30代の頃とはまた違った悩みに直面した。

やる気も、根気も、継続する力も、誰よりも持っているつもりでも、書類だけではそれが伝わることはない。

年齢というただの数字だけで採用を見送られる

【採用は、30代まで】という年齢制限が設けられていたら、どれだけ仕事したくても応募することすら許されないのだ。

私にとって、年齢は、経験値という意味では武器になると思っているけれど、採用する側からすると、やはり若い人を長く育てたいのだから仕方がない。

たしかにそうだけど…

こんなに仕事を探すことが難しいとは思わなかった。

ものづくりで生きてきた私は、何も持っていないのか。何の価値もないのか。

ひとつのことを継続する力、企画立案、デザイン制作、発送業務、アフターフォロー。

こなしてきた数々の経験を思い返すと、ひとりで会社を立ち上げてすべてをこなしてきたのだから、何でもできる。

お客さまへの対応だって、マーケティングだって、ものづくりの技術や発信もできるのに、それが通じないのが悔しい。

年齢が40代。だからなんだ。

女性は、独身20代までしかすぐに採用されないのだろうか。

若くても、既婚だと「いつ妊娠するか分からないから」と採用をしぶられることがある。

子育て中には、「子どもが小さいと病気やケガなどで休むこともあるだろうから」と採用を見送られることも少なくない。

かといって、子どもが手を離れ、ようやく自分ができることをやろうと思ったときには、「年齢が」と言って相手にもしてもらえない。

求人の中には、「年齢ではなく、人格・やる気を見る会社です!」と謳っている割に、社員の平均年齢が20代というものもある。

40代になったら、こんなに職探しの難易度が上がるなんて思ってもみなかった。

子育てを必死にやって、自分がやれることを精一杯やってきて、やっと社会貢献できる!と思った先にあるのは、パートさえ探すのが難しいという現実が待っているなんて、誰が想像できるだろう。

「ものづくりを8年間やってきた」という経歴は、社会ではキャリアとして認めてもらえないのだろうか、と、職探しの難しさを痛感してしまった。

私が選ぶ、これからの働き方

職探しを通して、世の中の「今」を知ることができてよかった。

女性・妻・母という立場を持っていることが、決して足かせになっているとは言いたくないし、人生のキャリアを積む上で、それがあるから「やりたいことができない」というのは、私は絶対言いたくない。

だからこそ、自分がやりたいことと仕事を天秤にかけて、どちらか一方だけが重くなることは望んでいない。

どちらか、ではなく、両方を選択したい。

職探しを始めてから、一時、ものづくり(ハンドメイド)は趣味の範疇だと思われているのだろうかと思ったこともあった。

ハンドメイドを趣味という人も中にはいるから、好き勝手にやって、真剣にやっていないのでは?とか、何もできないのでは?などと思われているのかなと思ったりもした。

けれど、何も持っていないことなんかない。

私がハンドメイド作家として活動していた8年間は、経験という二文字がこれでもかと詰まっている。

それは、学歴や、教科書で習ってできるようなことではなく、私が生きてきた道の上でのできごとから得た経験。

過去のどんな経験よりも、私という一人の人間の人生を変えるほど、とても濃い時間だった。

履歴書の経歴が、たった一行でしか表せなかったとしても、自分の過去を否定する必要はないと思っている。

私の履歴書は、決して立派なものではないけれど、ご縁がいただけたとしたら、これまでの経験を存分に生かして仕事したい。

そして、大切に育ててきた革花は、誰かに伝えていきつつ、何かに活かせたらとも思っている。

ものづくりを100%やめなくたって、仕事と両立しながらやることだってできるはずだ。

どちらか一方しか選べないのではなく、もっと欲張りになって、どっちも叶えたい。

何を、どう選ぶかは、私の人生であり、私が決めることなのだから。

やりたいことをやりながら、仕事もする。

これからの働き方は、それでいいと思う。

おわりに

もし、これを読んでいるあなたが、年齢や状況によって、自分が思う選択ができずにつまづいているとしたら、もう一度立ち止まってみたらどうだろう。

生きている限り、その選択はあなた自身の人生の道の上にある。

やりたいことと仕事を両立できる形はきっとあるはず。

何より大切なのは、しっかり考え、後悔しない道を、自分の意思と責任で選ぶこと。

そうすれば、どんな結果になったとしても、納得して進めるだろう。

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