
開業を考えていた頃に感じたモヤモヤ
作家活動を始めて3年が経った頃、開業を考えていた私。
けれど、この頃、ものすごくモヤモヤしていた。
周りの作家さんたちはどんどんフォロワーが増えたり、何度も特集掲載されたりしているのに、私はどれだけ頑張っても突き抜けるほどの結果が出なくて焦っていた。
ものづくりを始めて、巷にある作品を見ないまま独学で作ってきた革花は、これ以上作っても意味がないのではと思うほど、自分を追い詰めていたように思う。
正直、自分がこれから何がしたいのか、どこへ向かえばいいのかまったく分からなくなっていた。
そのモヤモヤの正体が分からなくて、行政の力も借りたけれど、それは一時的な安心にしかつながらず、結局答えが分からないまま長い間、暗中模索していた。
「売れるもの探し」に振り回されていた日々
今になって思えば、そのモヤモヤの原因が分かる気がする。
それは「売れるもの探し」をしていたからだ。
当時の私は、売れない時に「ハンドメイド 売れるもの」「ハンドメイド 人気」などの検索ばかりして、その時のモチーフや素材の流行を追いかけていた。
何が売れるか分からないから、情報を必死に探して「これを作れば売れるかもしれない」と藁にも縋る思いだった。
服選びから気づいた“流行の意味のなさ”
そんなある日、服を買いに行ったときにふとつぶやいた。
「流行りものばかりだな。似たようなものばかりで全然惹かれない」
そういえば私は、服を選ぶときも流行に強いこだわりはなく「自分が似合う」と思うものを身につけることが多かった。
流行のものを選ぶこともあったけれど、必ず着崩したりワンポイントを足したりして「自分らしいファッション」にしていた。
そのとき気づいた。
私が作りたいのは、人と同じものではなく「自分らしい個性」を表現できるものなんだ、と。
流行を追っても売れない理由
思えば、流行を追いかけても結果が出ないのは当然だった。
巷で人気のものは大手企業が量産するから売れるのであって、個人作家が同じことをしても力も規模も比べ物にならない。
どこに行っても同じものが並べばすぐに飽きられるし、流行が過ぎれば一瞬で忘れられてしまう。
それを知らずに「どこにでもあるもの」を作り続け、自己満足に浸って「結果が出ない」と嘆いていたのだ。
流行よりも「自分らしさ」を選ぶということ
私が作りたいのは、人と同じものではなく「自分らしい個性」を表現できるもの。
流行を追いかけたり「売れるもの」を意識しすぎたりすると、自分のことは横に置いてしまい、巷にあふれるものすべてが正解のように錯覚してしまう。
けれど、本当はそんなことはない。
流行や売れるものは「誰でも持っているもの」「どこでも手に入るもの」。
一気に広がって、一気に過ぎ去っていく台風のような存在だ。
その一方で、流行に乗らない人もたくさんいる。
私自身もその一人だった。
巷にありふれた流行には興味がなく、誰かと同じであることにも魅力を感じなかった。
それこそが「自分らしさ」だったのに、当時の私は世間に合わせようとし過ぎて「どこにでもあるもの」を作り続けてしまっていたのだ。
自分の個性を見つけて磨き続けることが大切
ものづくりを始めたばかりの頃は、自分の世界観や個性が分からなくて、売上が立たなくて焦るあまり「売れるもの探し」をしてしまう。
でも、それだけはやらないほうがいい。
あなたには、あなただけの個性がある。
自分のことだから当たり前に思えて、個性なんてないと感じるかもしれない。けれど、確実にあなたにしかないものがある。
私もそうだったように、最初は誰だって自分の個性なんて分からない。
だからといって流行や人気に合わせる必要はない。
あなたが心から楽しんで作ったものには、他には真似できない個性が宿る。
自分には何もないと思っていても、他人から見れば「すぐにあなたの作品だと分かるよ」と言われることだって少なくない。
だから、売れるものを探す遠回りよりも、ものづくりへの情熱と「これを作りたい」という思いを形にし続けてほしい。
作り続けていれば、必ず自分だけの世界ができる。
大切なのは売れるものをつくることではなく、あなたにしか作れないものを形にすることだから。
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