世界一くわしい革花の専門書

革花(かわはな・レザーフラワー)の作り方や染色・成形などの技術記録とあわせて、革花作家としてものづくりを続ける中で、生きづらさから少しずつ抜けていった心の変化や考え方を綴っています。心を整える視点や日々の気づきを、暮らしと制作の記録としてまとめたブログです。

このブログは、革花作家としてものづくりを続ける中で、私自身が生きづらさから少しずつ抜けていった 心の変化や気づきを記録しています。 革花の技術の話も心の話も、どちらも「生きること」の一部として綴っています。

※「世界一くわしい」とは、一人の作家が歩んできた過程と気づきを、 技術と心の両面から、できる限り丁寧に残しているという意味で使っています。

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比較なんていらない|比べることをやめて取り戻した自分らしさ

作家を始めたばかりの頃は、ただ楽しみながらがむしゃらに作品を作っていれば満足できるけれど、継続していくと、少し心の余裕が出てきて、周りに目が向くようになる。そうなったとき、どうしてもやってしまうのが、他の人と自分との比較だ。

これは、とても根深い部分だからこそ、簡単にやめられない。

今回は、作家を継続するために私がやめたこととして、「人と比較すること」について書く。

なぜ作家は人と比べてしまうのか

ものづくりを始めたばかりの頃は、とにかく作るのが楽しくて、時間も忘れて夢中になるもの。だからこそ、周りの目も気にしないし、何か言われても聞こえないこともある。

けれど、それを仕事にして慣れてくると、余裕が出てくるからこそ、途端に周りがよく見えるようになる。気づけば知っている作家が自分より売れていたり、フォロワーが急に増えていたり、売り切れ続出!という情報を見た日には、「あれもこれもやらなきゃ」と急に焦ってしまうものだ。

SNSを開けば「完売しました」という投稿が流れてくる。偶然見たアカウントのプロフィールを見て、フォロワー数の多さに「すごい」と感じたり、「私とは世界が違う」と考えてしまうこともある。

今の世の中、何でも比較できてしまう環境がすぐそばにあることの怖さを思い知る瞬間だ。

比較がもたらす作家活動への悪影響

何かを作りたいと夢中になっているときは、周りの評価を考える余裕すらない。けれど、販売や制作に慣れてくると、心に余裕が出て、その余裕が比較につながってしまう。

そこには「作る楽しさ」よりも「誰かの評価や数字を気にする自分」がいた。

私が、誰も作っていなかった革花(レザーフラワー)をゼロから作っていた時期には、自分に自信がなく、Instagramを開いては流れてくる素晴らしい作品を見て、勝手に落ち込んでいた。

ネット上で仲良くなった作家さんの投稿を見るたびにフォロワー数がどんどん増えていき、「私のフォロワー数とは比べものにならないな…」と自信をなくしていた。

そういうことが続くと、自分がやっていることが急にチープに思えてきて、「やっても意味がない」「私の作品は誰にも見てもらえない」と、気持ちを自分で落としてしまい、創作意欲がなくなってしまう。

投稿するたびにフォロワーが減っていった時期には、「作品がだめだったのかな」と心が折れそうになったこともある。

何をするにも悪い方向に考え込み、作家を続けていいのかとまで思うほど、心が疲弊していた。

私が実践した“比べない”工夫

そんな中で私は、「周りの誰かと比較してしまう自分」がいることに気づいた。比較が必ずしも悪いわけではないけれど、自分の心が折れそうになるくらいなら、いっそ比較そのものを目に入れないようにしようと思った。

私が一番優先したいのは、作品を作る時間を確保すること。だから、SNSを一時的にやめてみた。毎日のように投稿していたけれど、週1回に減らし、そこからSNSとの距離を置くようにした。

当時は「市場調査」と言い訳しながら、実際は他の人の作品ばかり気にしていたのだと思う。その時間を減らすだけで、自分の軸を保ちながら作品づくりに集中できるようになった。

そして、比較対象を周りの誰かから「過去の自分」へと切り替えた。
比較するべきは、今の自分と過去の自分。
昨日できなかったことができるようになったこと、半年前には思いつかなかったアイデアが浮かんだことなど、自分の歩みをたどる比較に変えた。

さらに、いつでも自分の価値観に立ち返れる環境を意識した。私がやりたいこと・続けたいことは何なのか。続けるために必要なことだけに集中するようにした。

雲が切れて青空が広がる風景|比較をやめて自分らしさを取り戻す心の象徴

 

比べることをやめて取り戻した自分らしさ

「ハンドメイドを仕事にするならSNSは必須」と言われる世界で、私はInstagramを1か月投稿しないことも増えた。最初の頃は、新作のお知らせができないし、忘れられてしまうのでは?と怖さもあった。

でも、そんなことはなかった。

気になったのは最初の数日だけで、「投稿しない」と決めたら気持ちが楽になり、変なストレスから解放された。周りの誰かと比較しなくなったことで、一喜一憂することもなくなり、フォロワーの増減すら気にならなくなった。

また、新作を告知しなくても、作品を本当に求めてくださる方はショップを覗いてくれた。出品時にお気に入り登録できる機能も、私には心強かった。

誰かと競っているような気持ちで疲弊していた日々を抜け出し、少しずつ「自分の道を歩いている感覚」を取り戻したのだ。

人と比べないことが、作家を続ける力になる

作家を続けるための判断軸は、誰かと比べることではなく、自分の軸を育てていくこと。比較をやめることは、その第一歩になる。

作家を続けることは決して簡単ではない。
その理由のひとつは、「誰かとの比較に心が疲れてしまう」からだ。

本来、作家は自分にしかできない世界観を形にするのが仕事のはず。けれど、多くの人の中に入り込むことで、自分らしさや本来の姿を見失ってしまうことも少なくない。

だからこそ、人と比較せずに、自分がやりたいこと・優先すべきことだけにエネルギーを注ぐことが大切だ。


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