世界一くわしい革花の専門書

革花(かわはな・レザーフラワー)の作り方や染色・成形などの技術記録とあわせて、革花作家としてものづくりを続ける中で、生きづらさから少しずつ抜けていった心の変化や考え方を綴っています。心を整える視点や日々の気づきを、暮らしと制作の記録としてまとめたブログです。

このブログは、革花作家としてものづくりを続ける中で、私自身が生きづらさから少しずつ抜けていった 心の変化や気づきを記録しています。 革花の技術の話も心の話も、どちらも「生きること」の一部として綴っています。

※「世界一くわしい」とは、一人の作家が歩んできた過程と気づきを、 技術と心の両面から、できる限り丁寧に残しているという意味で使っています。

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自信は後からついてくる|小さな一歩が未来を変える理由

新しいことを始めるとき、誰もが「自信がないから始められない」と感じるもの。私も実際そうだった。けれど、経験を積み重ねた今だからこそ、自信がなくても一歩踏み出す勇気の方が大切だと気づいた。

では、なぜ私たちは最初に“自信のなさ”を強く感じてしまうのだろう。

 

自信がなくて行動できないときの心理

何かをきっかけに「やってみたい」と思うことが見つかっても、すぐに行動に移せる人は少ない。
純粋な思いが浮かんでも、その直後に「何のためにやるの?」「やっても意味がない」「収入にならない」と、やらない理由を探す自分が出てくるからだ。

かつての私もそうだった。

何か始めようとするとき、それが「収入」という成果につながらないのであれば、やる意味がないと思っていた。

せっかく純粋な思いが浮かんできても、「やらない理由」を真っ先に考えてしまい、結局行動に移さず終わったことが山ほどある。

今になって思えば、それは自分に自信がなかったからなのだろうと思う。

経験が自信を育てる理由|小さな積み重ねが力になる

私は、革花を作り始める前、花ではなく手あたり次第にできることをやっていた。
ただ「作れるものを作っていた」という感覚に近いと思う。けれど、それまで一緒にやっていた兄から独立した途端に、全部ひとりで「仕事」として革花をやることになり、それまで味わったことのない思いが押し寄せた。

何でも一人でこなすのは精神的に楽な一方で、すべての判断を自分でしなければならない。何かするたびに、ヒヤヒヤしていた。

それまで得意なことが特になかった私は、何をするにも自信がなかった。注文が来ても、発送後は「これで大丈夫かな?」「クレームが来たらどうしよう」と、起きてもいないことを想像して勝手に落ち込んだりしていた。

独立してから数か月は、自分に自信が持てず、おどおどしていたと思う。

けれど、時間が経つにつれて、それまで高く感じていたハードルを越えられるようになったり、落ち着いてお客さま対応ができるようになったりしていった。「自信をつけたい」と意識しなくても、目の前のことを続けているうちに、自然とできるようになっていたのだ。


その経験から分かったのは、自信は「つけるもの」ではないということ。
自信がないのは、まだ経験が浅いからこそ出てくる感情であり、それは悪いことではない。

人は自信のなさを自覚して初めて「悔しい」「頑張ろう」という気持ちを持てるのではないだろうか。


私が20代の頃、仕事中によく「尻の青い若者が何を言うか」と年配の人に言われた。自分の意見を伝えただけなのに、経験の浅さが生意気に映ったのだろう。
当時は「仕事に年齢は関係ない」と思う一方で、「若い=経験不足」という現実を突きつけられた気がして、どうしようもない悔しさを抱えた。

けれど、その一言が私の中で火をつけた。
「次は絶対そう言わせない」「年齢なんて関係ないと思わせてやる」——そういう強いエネルギーに変わったのだ。


結局、自信がないのは経験が浅いから。
長年やってきた人と比べても、積み重ねの量が違うのだから、追いつくには時間がかかるし、張り合っても意味がない。

でも、その自信のなさがあるからこそ「悔しい」という感情が生まれ、認められたいという思いにつながり、その先で少しずつ自分だけの自信が育っていく。

ひとつの道を大切に育てるように、試行錯誤しながら壁を越えていく。その繰り返しの中で「自分にもできる」という小さな成功体験が積み重なり、やがて「自分を信じられる」ようになる。

それが、自信なのだ。

 

年齢で変わる自信との向き合い方|20代・30代・40代の気づき

とはいえ、私にも、自信がなかった頃があった。

20代までは自分視点でしか物事が見えていなかったこともあり、何をするにも怖くなかったし、若さゆえの自信がどこかにあった。


30代になり、出産や子育てを経て客観的に周りを見られるようになった途端、あまりにも自分が無知であることに気づき、それまでの自信はどこかへ消えてしまった。

私が兄とレザークラフトを始めたのは37歳の時。それまでの仕事とはまったく関係のないハンドメイドの世界に飛び込み、ゼロからのスタートだった。

完成した作品を見ても「こんなものでも買ってくれるのかな」と不安でいっぱい。イベントでお客さまが作品を手に取ってくれるのは嬉しい一方、「壊れたらどうしよう」と、自信のなさが表情に出ていたと思う。

兄からは「自分が自信を持って売らないと、買う人だって不安になる」とよく叱られた。


それでも、人は経験を積めば、必ず少しずつ自信がつくものだ。

今、私は40代になり、8年の作家経験を積んで、それまでの自分にはなかった自信が、以前よりはついたと思う。

そして、さまざまな経験を経て、考え方が変わった。

健康年齢が80歳だとしたら、すでに人生も折り返し地点にいる。ここから40年、どう生きるかを考えたとき、後悔しない生き方がしたいと思った。

この命が尽きるとき、「やりたいことを全部やりきった人生だった!本当に楽しかった!」と満足した気持ちでいたい。そう思う。

だから、自信があろうとなかろうと、自分の人生を存分に生きる。
私の人生には、「自分がどうありたいか」ということだけが大事で、周りは全く関係ない。

ただ、自分の人生を胸を張って歩めるか。それだけなのだ。

自信より大切な一歩を踏み出す勇気|小さな積み重ねが未来をつくる

最初は自信なんてなくていい。誰だってそうなのだから、恥ずかしいことではない。

自信がないなら、人に憧れて大きなことを目指すより、小さな一歩を踏み出すことが大切だ。最初の一歩を進めたら、また次の一歩を出す。ただそれだけでいい。大きなことを急にやろうとするから失敗が怖くなり、「私にはできない」という気持ちが大きくなるのだ。

それならいっそ、周りなんて見ないで、誰とも比べず、誰も見ていない場所で小さな一歩を歩めばいい。誰も見ていないのだから失敗を笑われることもない。自分の力で踏み出した一歩を、自分自身でしっかり褒めてあげれば、それでいい。

カッコつけたり承認欲求を満たすためではなく、自分の心が喜ぶことを重ねていく。その積み重ねが、やがて本当の自信へと変わっていくのだ。

もし、自信をなくしたら、もう一度、一番最初の一歩を振り返ってみること。きっと、その小さな一歩が、どれだけ遠くまで歩いてきたかを教えてくれる。

経験は嘘をつかない。積み重ねた日々は、言葉や表情におのずと自信を宿らせていくのだ。


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