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学ぶということ、伝えるということ──息子との対話から

息子との何気ない会話から、自分の原点にふと立ち返る朝。
作ること、教えること、続けること──いま、静かに考えたくなったこと。

2025年7月11日

息子は、ここのところずっともやもやしていた。
ずっと将来の夢である作曲家を目指して、音大へ行くために教本を学んでいる。
真剣がゆえに、ずっと自分で学ぶことの難しさを痛感していて、「やっている意味があるのか」と思い悩んでいた。

そんな中、部活で吹奏楽をしている息子に、同級生が音楽理論について教えてほしいと言ってきたのだが、息子は多くの時間をかけて学んできただけに「どうして自分が学びたいなら、調べないのか?どうして、自分の力で学ばないのか?」と腹が立ったそうだ。

話を聞くと、どうやら、自分が時間をかけて学んだがゆえに、「教えたくない」という気持ちが芽生えたようだった。

それと同時に、真剣に音楽を学びたいと思っていない人に教えても、意味がない、吸収しないとも。
息子の言うことも、確かに的を得ている。
これまで、何度もそういう経験をしてきた息子だからこそ、そう感じるのだろうとも思う。


私は、そうして学んだことを、しっかり理解できているかどうかを確認できるいいチャンスなのに、勿体ないと感じた。

息子は日々吹奏楽に没頭し、作曲家になるという目標に向かって走り続けている。どれだけ真剣かは私が一番知っている。
だからこそ、もっともっと学ぶために、アウトプットしてほしいと思った。

「そうやって、誰にも教える意味がないと思っているかもしれないけど、本当に理解しているかどうかは、人に話してみて、相手が理解できるかどうかで分かると思うよ。難しいことを、かみくだいて、小学生でもわかるように説明ができて、相手が「わかった!」と納得できたら、普段の学びが生きてるってこと」だと。

「学んだ知識を自分の中にぎゅっと握りしめているうちは、あなたの持ったいいところが生かされることはない。誰かに学んだことを話して、感謝されて、それがたくさん繰り返されることで循環が生まれて、多くの影響を与えるようになる」

そう話していくうちに、息子の表情がやわらかくなるのがわかった。
そして、私自身も、話しながら、現状を見つめなおした。


知っていることと、深く理解していることはまったく違う。
表面的に知識を得たとしても、自分の力でそれを形にしなければ、単なる「情報」としてしか機能しないのだ。
私がやってきた8年間の革花作家人生も、まるでそうで、息子の気持ちが痛いほど分かった。
教えることで、相手の方がより良いものを生み出してしまうのではないか。追い越されてしまうのではないかと、不安になって握りしめたくなる気持ちもとてもわかる。
私が実際、ワークショップをしたときに「技術が盗まれるんじゃないか」と、とても恐れていたように。

でも、それまでの経験は、誰にも計り知れない苦労や挫折の元にあって、その中に感じることができる、とても小さな「できた!」という思いが、経験を積ませてくれる大きな一歩になるのだ。

時には苦しくて、辞めたくて、もういい、諦めよう、と、もがくことがあったとしても、心の奥深くにある「やりたい」という熱い思いがあるからこそ、そこから逃げることはできない。
どんなに苦しくても、やりたい気持ちに勝るものはない。

だからこそ、この気持ちが人生において、何よりも必要だし、大切にしたいものなのだ。
強烈なその思いは、人生のターニングポイントを与えてくれるほどの大きな影響を与える「ちいさな気づき」。


息子と話した翌朝、私は「革花の専門書を作りたい」と思ったときのことを、ふと、思い出した。

―革花で四季をつたえる本をつくりたいー

それが目標だった。
「革で花を作りたい」
その思いが濁ることはない。


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この気づきは、これまで書いてきた以下の記事とも、どこかでつながっている気がしています。
もしよければ、合わせて読んでみてください。

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同じように迷っている誰かの、小さな支えになりますように。

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