革花の色を守る仕上げ剤の選び方と使い方|つやあり?つやなし?どちらを選ぶ?

こんにちは、革花作家のkaoです。

革花づくり、楽しんでいますか?
基本編をご覧いただいている方がいたら、とっても嬉しいです。

今回は、革花を作ったあと、一番最後の仕上げともいえる「色あせ防止剤(仕上げ剤)」についてお話します。

実はこの仕上げ剤、仕上がりの雰囲気にグッと差が出るだけでなく、使い方を間違えると…思わぬ失敗につながることも。

私自身、はじめて仕上げ剤を使ったときに、やらかしてしまった苦い思い出があります。でも、その失敗があったからこそ、今の「ちょうどいい使い方」が見えてきたように思います。

この記事では、そんな実体験も交えながら、仕上げ剤の種類や使い方のコツを分かりやすくお伝えしていきます。

色あせを防ぐだけじゃない、革花の魅力をさらに引き立てるための“最後のひと手間”、一緒に見ていきましょう。

 

革花づくりに欠かせない「仕上げ剤」とは?

仕上げ剤とは、革を染めた後に塗ることで、美しい色合いが色あせたり、色移りしたりするのを防ぐためのコーティング剤のこと。

革花づくりに適しているタンニンなめし革は、水性染料と相性が良い反面、紫外線による経年変化がどうしても起きやすい素材です。

そこで、革の表面にアクリルの薄い膜を作ることで、紫外線や摩擦から守ってくれるのが「仕上げ剤」なのです。

私自身、水性染料を使って革花を染めていますが、染めたばかりの色合いはとても透明感があってきれい。でも、時間が経つとやっぱり少しずつ色あせてきてしまいます。

だからこそ、仕上げ剤を使って、あの美しさをできるだけ長く保つことが大切なんです。

仕上げ剤の種類|つやあり?それともマット?

仕上げ剤には大きく分けて、つやありタイプつやなし(マット)タイプの2種類があります。
(※いずれも水性染料に適した水性タイプ)

革花作家kaoが実際に使っている2種類の水性仕上げ剤のボトル画像。左がつやなしマットタイプ(オレンジラベル)、右がつやありタイプ(黄色ラベル)で、それぞれの特徴が手書きで添えられている。

▸ つやありタイプ

表面に光沢が出て、少し高級感のある印象に仕上がります。
光を反射するようなツヤ感がほしいときに。

▸ つやなしタイプ(マット)

ナチュラルでやさしい風合いを出したいときにおすすめ。
革本来の質感を大切にしたいときにぴったりです。

※私が「基本編」で紹介したお試しセットにも、マットタイプが含まれています。

作品の雰囲気や、使いたいシーンによって、好みに合わせて選んでみてくださいね。

初心者さんには「水性タイプ」がおすすめ

仕上げ剤の選び方と使い方について紹介している画像。kaoが手にしているのはマットタイプの仕上げ剤。背景には見出しとして「仕上げ剤の選び方・使い方」と手書きで書かれている。

私が革花づくりでずっと使っているのは、水性染料と水性仕上げ剤のセットです。

なぜなら…

  • 水で薄められるから安全・安心

  • 手についても水で洗えば落ちる

  • においが少なく、室内でも作業しやすい(換気は必要)

  • 片づけがラクで、続けやすい!

最初のうちは、慣れていないと「これで合ってるのかな?」と不安になるもの。
だからこそ、扱いやすく安心して使えるものを選んでほしいと思っています。

使用前に知っておきたい!仕上げ剤の扱いポイント

革花の仕上げ剤に関するポイントを箇条書きでまとめた画像。マットタイプとつやタイプの違い、塗り方の注意点、使用後の道具の扱いについて説明されている。

仕上げ剤は、どのタイプも「パレットに少量出して、筆などで薄く塗る」が基本です。

※ちなみに、筆は平筆だと均一に塗れるのでおすすめです!

▸ つやありタイプのコツ

  • 原液でも使えるけれど、塗りすぎると表面がパリパリになることも

  • ツヤ感が強すぎると感じたら、水で少し薄めて使うのがおすすめ

  • 私は、革の質感を残したいので、必ず水で薄めています

▸ つやなしタイプ(マット)のコツ

  • 使用前にしっかり振ること!(中にマット成分の粉が沈んでいることがあります)

  • 一度塗っただけではマット感が出にくいことも。必要に応じて2度塗りを

  • 塗りすぎると粉っぽくなることがあるので、様子を見ながら少しずつ塗るのがポイント

完成後の比較|仕上げ剤で変わる、ほんのりした“質感”

同じ革、同じ染料を使っていても、仕上げ剤の種類によって、仕上がりの雰囲気が少し変わります。

左がマットタイプ(つやなし)、右がつやありタイプ
実際に仕上げてみたのがこちらの画像です。

革花に使用した仕上げ剤の効果を比較した画像。左側はつやなしマットタイプのブルーの花、右側はつやありタイプのピンクの花。仕上がりの質感の違いが分かるように対比されている。

とはいえ、見た目の印象が大きく変わるほどの違いが出るのは、たっぷり塗った場合
仕上げ剤を“控えめ”に使えば、ツヤ感の差はほんのりとしたものになります。

革の質感を活かしたナチュラルな仕上がりが好きな方はマットタイプ、
華やかさや光沢を少し足したいときにはつやありタイプ、といった風に雰囲気の違いで使い分けるのがおすすめです。

 仕上げ剤、塗りすぎ注意!昔の私に教えてあげたい話

2019年に制作された椿の革花アクセサリー。光沢の強いつやあり仕上げが特徴で、中央には装飾パーツがつけられている。

2019年に制作した椿の革花。初期の作品で、仕上げ剤を厚く塗りすぎてしまった“やらかし時代”の一輪。今では懐かしく、学びの詰まった大切な作品。

はい、これが私の“やりすぎ注意報”時代です(笑)
ツヤ出したい一心で、たっぷり塗ってパリパリ事件…今見たら完全に塗りすぎ😂
初心者あるあるだけど、これも大事な学びでした。

失敗談①:つやありをたっぷり塗りすぎて…

私が初めて仕上げ剤を使ったのは、革で作った椿の花でした。
「椿=ツヤがある花」というイメージから、ツヤありタイプをたっぷり原液で塗ってみたら…

ピッカピカのツヤッツヤ仕上がりに!

しかも花の中心部分に仕上げ剤が溜まってしまい、乾燥後にはヒビ割れてしまって…
せっかくの初作品が残念なことに。これには凹みました(笑)

それ以来、光沢は“ほどほどがちょうどいい”と学び、水で薄めて使うようにしています。

(ちなみに、ファンデーションもツヤありを使っていたら「今日、汗すごいね」と言われたことも…😅何事もやりすぎはよくないってことです。)

失敗談②:つやなしをよく混ぜずに使ったら…

マットタイプを初めて使ったときのこと。
使い慣れていたツヤありと同じ感覚で、そのまま塗ってみたら…

表面が粉っぽくなり、ざらっとした手触りに!

どうやら、マット成分が沈殿していたらしく、よく混ぜずに使ったことが原因でした。

マットタイプは、ツヤが控えめでナチュラルに仕上がる反面、使い方によってはザラつきが出てしまうこともあるので注意です。

まとめ|仕上げ剤は“作品を守る透明なコート”

革花の魅力は、染めた直後の透明感や発色の美しさにあります。
それをできるだけ長く保ちたいなら、仕上げ剤はとても大切な存在です。

ツヤあり・マット、どちらも使い方次第で作品の雰囲気が変わるので、まずは少しずつ試してみて、自分の好みに合った仕上がりを見つけてくださいね。

仕上げ剤を使いこなすことで、革花づくりがもっと楽しくなるはずです。

紹介した水性染料と仕上げ剤はこちら

私が基本編でも使っている、クラフト社の水性染料&仕上げ剤のお試しセットです。
初心者の方にも扱いやすく、自然な仕上がりになるのでおすすめです。

クラフト社 水性染料・仕上げ剤おためしセット
(仕上げ剤はつやなしが入っています)

クラフト社|仕上げ剤(つやありタイプ)
クラフト社|仕上げ剤(マットタイプ)

初めての方は、まずはセットで試してみるのが安心です。

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