革を染め続けて見つけた、特別な“水色”の物語

淡い水色の紫陽花作品

革の水色に込めた思い ~紫陽花の色を求めて~

何か月も前から「どうしても淡い水色の紫陽花を作りたい」という思いがありました。しかし、その実現には思った以上に時間がかかり、試行錯誤の連続。染料の配合や水の量を調整しても、どうしても「これだ!」と思える色が出せず…。気がつけば3か月が過ぎていました。

革の染料は鮮やかで濃い色を作るのが得意。でも、淡い色にすると革本来の肌色が影響して、どうしてもくすんでしまいます。過去の作品で淡い色合いを取り入れなかったのもこの理由からでした。

でも、今回はどうしても逃げたくなかったんです。「絶対にこれだと思える色にたどり着くまで、あきらめずに挑戦しよう」そう決意して、革本来の肌色を生かしつつ透明感を感じる淡い水色を目指しました。

試行錯誤中の様子

革染色の奥深さと苦労

私の作品は、染料をそのまま使うことはほとんどありません。染料を配合して、自分だけの色を作ることが特徴です。

しかし、染料の配合は非常に繊細で、ほんの少し別の色を加えるだけで一気にくすんでしまうことがあります。革の染料特有の鮮やかさが失われる瞬間は、まさに試行錯誤の連続。それでも、今回はいつも以上に色に向き合いました。

配合調整中の革

偶然の発見と歓喜の瞬間

3か月の努力の末、ようやくたどり着いたのは、思いがけない偶然からでした。ある日、いつものように染料を混ぜて染めた革を見た時、「また今回も失敗か…」と落胆してその場を離れた私。気分をリセットしようと1時間ほど場所を変えて過ごし、再び革を見てみると…。

そこには、私がずっと追い求めていた淡い水色が!「えっ、うそでしょ?」と声を上げてしまうほど驚きました。半信半疑で再挑戦してみても、同じ色が再現される…。やっと水色が完成したのです!

その瞬間、心が弾けるように嬉しかったです。

完成した淡い水色

色への情熱を忘れない

3か月という長い道のりでしたが、改めて感じたのは「私は革を染めるのが本当に好き」ということ。そして、「色」そのものへの愛情も再確認しました。どんなに苦労しても、自分の配合した色で誰かの心を癒し、ワクワクさせたい。これからも、色の可能性を追求し続けたいと強く思います。

完成した作品は…

今回の投稿では、紫陽花の作品紹介というよりも、淡い水色を作るまでの苦労話になってしまいました(笑)。完成した作品については、改めてご紹介しますね。

ちなみに、この作品たちは2024年5月11日20時より、minneCreemaにて販売を開始します。私の魂がこもった作品たちを、ぜひご覧ください!

淡い水色の作品

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。次回は、もう少し暑苦しくない投稿になる…はず(笑)。また遊びに来ていただけると嬉しいです!それではまた(*^-^*)!