今回は、秋を代表する花・秋桜(コスモス)を作ります。
いつもはクラフト染料で革花(レザーフラワー)を染めていますが、今回はあえて「アクリル絵の具」で挑戦してみました。
アクリル絵の具は手に入りやすく、これから革花を始める方にも取り入れやすい素材です。
けれど、実際に使ってみると、染料とはまったく違う性質をしていて、発色や質感にも大きな違いがありました。
この記事では、そんな違いを感じながら進めた「成形から着色まで」の過程と、実際に使ってみて気づいたポイントをお伝えします。
アクリル絵の具を使うときは、成形から!

今回のコスモスは、成形からしていきました。
以前、アクリル絵の具で着色した時、乾燥してから成形したら、道具の滑りが悪くて成形しにくかったことや、成形する際に絵の具が部分的にはがれてしまったためです。
その経験をふまえて、今回は“絵の具がはがれにくくなるように”先に成形を行いました。
アクリル絵の具で色付けする
アクリル絵の具を塗る手順
乾いた革に、水で溶いたアクリル絵の具を全体的に塗ります。表を塗ったら、乾いてから裏も塗ります。
アクリル絵の具は、ムラになりやすいため、できるだけ花弁の大きさに合った筆で塗るといいですよ!
好みの色の濃さになるまで、塗る→乾燥→塗る…を繰り返します。
革の切った断面(コバ面)も忘れずに塗ると、仕上がりがきれいです。

グラデーションにする時のポイント
まず、少なめの水で溶いたアクリル絵の具を、グラデーションにしたい部分にトントンと置くようにのせ、すぐに、乾いた筆で絵の具の境目を拭うようにして水分を取ります。
花弁1枚ごとに、ウエスなどで筆の水分や絵の具を取って使うと花弁のグラデーションがきれいにできます。
染料だと、この方法ではグラデーションができないし、できたとしても難易度は高め。なので、グラデーションをしたい方は、アクリル絵の具の方が失敗しにくいと思います。
上の画像では、中心部分にのせた絵の具の量が多く感じるかもしれませんが、筆で絵の具を拭うため、このくらいのせても大丈夫です!
ベタ塗りしたときの仕上がりは?
水で溶いたアクリル絵の具をベタ塗りしたら、立体感はどうなるのかな?と疑問に感じたので、実験としてやってみました。
先に成形しているので、すでに立体感はありますが、完成したときの見栄えはどうなるでしょうか?
べた塗りの結果は、完成後にお見せしますね!
アクリル絵の具の発色は?

アクリル絵の具は、水をほんの少し足した状態で革に塗ると発色がよいのですが、水を多めに溶くと、色が濁ります。淡くなるというより、“発色が落ちる”印象です。
もしかしたら、私が使っているアクリル絵の具の特性かもしれないので、
もしお手元にアクリル絵の具があったら、ぜひ試してみてくださいね。
そして、もしよかったら、ぜひ結果を教えてくださいm(__)m
少ない水で絵の具を伸ばすこともできますが、革の上で膜を張った絵の具にヒビが入ったり、乾燥後に剥がれてしまうことがあります。
私は淡い色に仕上げるのが好きなので、アクリル絵の具を使うときは多めの水で溶くことが多いのですが、なかなか理想の濃さにならず、時間がかかってしまいます。
ちょうどいい水の量が分かりづらいのも難点^^;
さらに、薄く何度も重ねるという方法で着色してみたものの、アクリル絵の具特有のテカリが出てしまい、テンションが下がりました…。
革の質感が好きだから、テカリで質感が隠れてしまうのは惜しい。
どうにか対策を考えようと思います。
花の軸をアクリル絵の具で色付けしたら

花の軸も、革を普段通り細かくカットした後、アクリル絵の具で着色してみました。
当然のことながら、絵の具だと、カットした隙間になかなか色が入らなくて苦戦^^;
カットした部分をバラバラにしながら塗ると、革がボロボロになってしまうし…これはとても難しかったです。
染料なら、浸して終わり!なんですが、アクリル絵の具ではそうもいきません。
こんなにも扱い方が変わるんだなと、改めて感じました。
革×アクリル絵の具は染料より難易度高め?
普段、クラフト染料を愛用している私にとって、今回の実験(?)はとても新鮮でした!
革花を作り始めた当初は、染料や道具がなかったため、アクリル絵の具を使うこともしばしばあったのですが、改めて使ってみると、染料よりも扱いが難しい?!と感じました。
同時に、特徴をしっかり把握して使えば、無限大の表現ができるのではないかとも感じました。今後も、革花の表現を広げるために、さまざまな使い方を研究していきたいと思います。
さて、今回の制作日記①では、コスモスを成形し、アクリル絵の具で着色するところまでをご紹介しました。
次回は、コスモスを成形して組み立てます。
染料より難易度が高いアクリル絵の具を使ったコスモスは、どんな姿になるのでしょうか?
制作日記②でも、感じたことやコツなどお伝えします。
次回も、お楽しみに!
今回使った道具はこちら
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