革花の印象を左右する!花の軸の作り方と仕上げ方【初心者向け】

革花作品における花の軸の重要性を伝える記事用サムネイル画像。黄色い革花のイヤリングと、「表情をキメる 花軸の話」というタイトル文字が配置されている。

先日公開した、マーガレットの型紙はご覧いただけましたか?

初めて革花を作る方でも簡単に作れるデザインですので、無料型紙から作ってみて、さらに挑戦したくなったら、段階を踏んで、中級型紙から本格型紙へチャレンジしてみてくださいね♪

今回は、マーガレットのような、花の中心に軸があるときにカギとなる、花の軸について紹介します。

実際に革花を作るときに生かせるよう、花の軸の作り方も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

https://youtu.be/1xbBz1gJykM

花の印象を左右する「軸」とは?【革花作りの基本】

花を作るとき、花弁が主役のように考えてしまいがち。しかし、意外にも、印象を決めるのは花の軸の部分であったりします。

花弁の形はもちろんですが、軸の形が、どれだけ印象を左右しているかは、完成した革花を並べてみないと分からないことも多いのです。

花の軸の大きさや形で変わる印象【革花のデザイン例】

ここからは、私の過去作品を紹介しながら、花の軸のデザイン(大きさや形)で印象が変化するのをご覧ください。花の軸で印象の違いが分かりやすい向日葵をモチーフにした作品です。

花の軸の大きさや作り方などをじっくり見比べてみてください。

※ちなみに、私の過去作品はインスタグラムから引っ張ってきたもので、2019年からの時系列です。

ご自身が作ってみたい革花の雰囲気に近いものに寄せて作ったり、こんな風に作りたいというものがあれば、それに近づける作り方をするといいと思います。

2019年6月作品

2019年6月に作られた革のひまわりピアス。軸部分は革を細くカットして巻いた立体的な構造で、厚い革によるボリュームが特徴

こちらは、花に対して軸は小さめの作り。平らな軸。


手のひらにのせた革花のブローチ。黄色・青・ベージュの花と葉が立体的に配置された作品(2019年6月制作)

花の三分の一ほどを占める大きめの軸。ロールケーキのような形。

2020年6月作品

2020年6月に制作した革のひまわりのヘアゴム。花びらの隙間から中心部の立体感が際立つ、鮮やかな黄色の作品が2つ並んでいる。

花の半分くらいの大きさの軸。薄く平たい。

2020年7月作品

2020年7月に制作した革のひまわり作品。白い箱に丁寧に収められた2輪のひまわりが、贈り物のような雰囲気を醸し出している。

花の三分の一ほどの大きさの軸で、中心部分が少しくぼんでいる。

2024年6月作品

2024年6月に制作した革のひまわりポニーフック。繊細な花弁と深い緑の中心が印象的な一輪。背景にはぼんやりと他のひまわりが写り、柔らかな雰囲気が漂う。

密度が高く繊細な軸。光の加減で立体的に見える。大きさも高さもあるデザイン。

花の軸が作品の印象を決める理由【革花づくりのコツ】

これまでのブログ記事や動画の中で、革花の完成作品の印象(イメージ)を「カジュアルな雰囲気」や「繊細な雰囲気」という表現でお伝えしている部分は、まさしく、この軸の部分のこと。

私は、花における軸は、人の顔に例えるなら「目」のような存在だと思っています。「目は口ほどにものをいう」といいますが、革花の軸も同じで、どう作るかによって花全体の表情や印象が大きく変わります。

どんな素材を使って、どんな風に革を切って、どんな風に作るのか。単純なようにみえて、一番奥が深いのが、この軸なのです。

💡革花を作るときのヒントを書いた記事も参考にしてみてください。

リアルと抽象化を追求したデザインについて

革の厚みと切り方による印象の違い【図解付き】

さらに分かりやすく、革の厚みや切り方による印象の違いをまとめた図を用意しました。

革花づくりにおける革の厚みと切り方による印象の違いを示した図。革の厚みが厚いとカジュアルで力強い印象、薄いと繊細で優しい印象になる。切り方が細かいと緻密で、粗いとラフな表現になる。

  • 左側(革が厚い)→ カジュアルで力強い印象

  • 右側(革が薄い)→ 繊細で優しい印象

  • 上側(切り方が細かい)→ 緻密で繊細な表現

  • 下側(切り方が大きい)→ ラフで存在感のある表現

実際の作品画像をもとに、それぞれの雰囲気の違いが一目で分かるように配置しています。

図の見方

  • 横軸:革の厚み(左が厚い/右が薄い)

  • 縦軸:切り方の細かさ(上が細い/下が太い)

この図を参考に、作りたい花のイメージに合った革選びとカットの仕方を考えてみてください。

花の軸の作り方とコツ【初心者向け革花技法】

花の軸を革で作る基本手順【写真付き解説】

ここからは、革で軸をどのように切って使っているのかを紹介します。

細長い革を細かくカットした軸のパーツ。繊細なカットが施されている

軸の基本の作り方は、どれも共通していて、細長い革を切って巻くだけのシンプルなものです。

肝心なのは、革の厚みと切り方の関係。過去作品画像でお見せしたように、そのふたつの組み合わせで軸の印象がガラッと変わります。

あなたが作りたいと思う花に合わせて革を選び、切って、作ってみてください。花びらと軸のバランスで個性が出るので、このパーツも作るのが楽しいですよ♪

💡軸を巻くときに役立つヒントは、過去記事でも詳しく紹介しています。あわせて参考にしてみてください。➡革花の基本成形

仕上がりに差がつく!革花の軸を立体的に仕上げるコツ

完成した軸を、花にくっつけて…完成!…ではありません。

ここで革花を完成させていたとしたら、とてももったいない!もっと、もっと美しく仕上げるためのコツとして最後の仕上げをします。

革花の軸パーツを仕上げる前と仕上げた後の比較画像。上からと横からの角度で、仕上げによる立体感や表情の違いが分かる。

💡ぜひ動画で、どのような作り方をしているか、手の動きなど参考にしてみてください。

 

接着した軸のカット部分を開くイメージで革を成形します。すると、軸に立体感が出るので、最後にピンセットなどの先が細いものできれいに並んでいる軸をバラバラにほぐすようにします。

すると、平らだった軸が丸みを帯びて立体的になり、花の雰囲気に、より近づけることができます。

これをするだけで、完成したときの仕上がりに大きな差が出ます!

とても小さなパーツですが、だからこそ、こうした工夫をすることで、より繊細な仕上がりにすることができるのです。繊細な革花を作りたい方は、ぜひ、お試しください。

さいごに

今回は、革花の中でも小さなパーツ【軸】に焦点を当ててご紹介しました。

私自身、革花を作り始めたころは、この小さな軸の重要さに気づかず、ただ形を作るだけで満足していました。
でも本当に表現したかった「繊細な革花」を目指していく中で、細部こそが作品全体の印象を左右することに気づいたのです。

たったひと手間、たったひと工夫。
それが革花に命を吹き込むことを、今回の記事で感じてもらえたら嬉しいです。

ぜひ、あなたの革花づくりにも取り入れて、さらに素敵な作品を作ってくださいね!

 

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