世界一くわしい革花の専門書

革花(かわはな・レザーフラワー)の作り方や染色・成形などの技術記録とあわせて、革花作家としてものづくりを続ける中で、生きづらさから少しずつ抜けていった心の変化や考え方を綴っています。心を整える視点や日々の気づきを、暮らしと制作の記録としてまとめたブログです。

このブログは、革花作家としてものづくりを続ける中で、私自身が生きづらさから少しずつ抜けていった 心の変化や気づきを記録しています。 革花の技術の話も心の話も、どちらも「生きること」の一部として綴っています。

※「世界一くわしい」とは、一人の作家が歩んできた過程と気づきを、 技術と心の両面から、できる限り丁寧に残しているという意味で使っています。

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もはやスマホは“筆”と化す。


毎日ブログを書くようになってから、私の中に変化が起きた。

気づけばSNSも見ない、検索もしない。何のためのスマホか?と思うほど、インターネットの世界とかけ離れた生活をしている。

革花を作り始めたころから数年間は、インスタグラムも頻繁に更新していたけど、実はそんなに楽しいと思ったことがなくて。素敵な画像と一緒に流れてくる外の世界に、私は惹かれなかったし、正直興味がなかった。そんなこと言うと、ちょっと冷たい人だと思われるかな。でも、それが本音。

この数年間のことを思うと、必要に駆られてやっていたSNS以外では、ほとんどスマホを見ることもしなかったし、触ることもしなかった。

それって、外側に答えがないことを知っていたからなのかもしれないな、と思う。


今の私は、毎日ブログを書くためだけに生きてるようなもの。

過去の出来事や感情を文字にしていくと、自分の中にあった心の奥底にある重たい感情が掘り起こされて、どんどん昇華していくような感覚になる。

本当は、外の世界で見せていた顔とは裏腹に、心の中はぐちゃぐちゃだった時期もある。何をしてもうまくいかなかったり、理不尽なことで頭を下げることになったり、外に出ようと思うと足が重くて進めない感覚になったり。

きっと社会で生きる人たちも一度は感じたことがある感情を、過去にたくさん経験した。だけど、それを外で語ることはタブーな気がしてた。

革花という世界を、そんな感情と一緒に世界に出したくない。純粋な思いで作ったものを汚したくない。 その思いがあったから、一切語らなかった。


だけど、それを続けていると、気づかない間にどんどん塵が積もって、抑え込んだ涙が固まってほぐせないくらいに固くなって。あっという間にいっぱいになって。

一気にそれが崩壊したとき、もう耐えられないと思った。

外の世界にあるうわべだけのキラキラと現実は違うものだったし、私はそれを求めていなかったし、何の魅力も感じなかった。

私は、ただ、革花を作れたら、他に何もいらなかったんだと気づいたのは、一気に崩壊した後。


私の中にあった感情が押し寄せて、どうしようもなくなった後、ブログで少しずつ書いてきた「革花の作り方」が私を救ってくれた。

ブログって本当に不思議なもので、心の中にある感情が全部表に出てくる。それがとても面白い。書けば書くほど、私の中にある新しい自分に出会えるし、発見や気づきをくれる。

同時に、心にたまった重たい感情がほぐれていって、書けば書くほど心が軽くなる。たぶんこれは、革花を作っていた頃に少しずつたまってきたものだったし、どこにも出すことができないと思っていたからなのかもしれないけれど。


それでも、この4か月ほどかけて、ありとあらゆる角度から、私が歩んできた道のりや、当時の思いを文字にすることで、客観的に過去を振り返ることができている。

たくさん悩んだ日々も、どれだけ頑張っても報われないと思っていたことも、全部ひっくるめて人生をかけた時間だったからこそ、もう一度振り返る必要があったんだと思う。

「過去の私と似た境遇にいる人を救いたい」なんて、立派なことをラジオで言ってしまったけど、本音を言えば、過去の自分を救いたいだけなのかもしれない。

ずっと厳しくしてきた自分自身に、もう肩の荷を下ろして生きていいんだと言ってあげたいだけなのかもしれない。

そんなふうに考えていたら、毎日があっという間に過ぎていって、気づけばブログも140記事を超えようとしている。

結局のところ、探し求めていた答えはインターネットの世界には転がっていないし、一番核となる部分は私の中にしか存在しないというところにたどり着く。

そう。スマホ画面なんて小さな世界の中に答えなんてない。

もっともっと広い、自分の心の世界に入り込んで、奥深くまで潜り込んだらいい。

“今、この瞬間、私はどんな気持ちなのか”ということだけを大切にして生きれば、何の葛藤もなく、何のためらいもなく、“ただ在る”ことができる。

そこにたどり着いた今、私の日常には、心を文字にするブログという「とてつもなく広い世界」を歩くことが、何よりの幸せになっている。

スマホの小さな画面の中で、私は自分の心の奥へと潜り、文字を紡ぐ。
もはやスマホは、“筆”と化している。

 

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