革花作家の記憶とともに咲く紫陽花
梅雨が近づき、しとしとと静かに降る雨の音が日々の空気をやわらかく包みこむようになりました。
紫陽花2025シリーズの販売開始に続き、今回は紫陽花2022シリーズの再販についてお知らせさせていただきます。
紫陽花2022シリーズとは
このシリーズは、2022年に制作した革花アクセサリーのひとつ。 淡いブルーのグラデーションが印象的で、雨の季節にぴったりの紫陽花モチーフとして、当時から多くの方に手に取っていただきました。
今回再販するのは、その中でも特に人気の高かったピアス・イヤリングとブローチの2点です。
この作品に込めた想い
この紫陽花は、私にとって「色」と真剣に向き合った最初の作品でした。
普段は花の形に悩むことが多いのですが、このときばかりは“思い描いた青”にたどり着けず、毎日染料を混ぜては染め……を繰り返す日々。
当時は道具も十分に揃っていなかったし、色の知識もまだ浅くて。けれど、ある一つの道具との出会いが、私の色の世界を一変させました。
複数の染料を重ねるだけだった頃から、「染めとは光を重ねることかもしれない」と気づいたこの時期。
この作品には、そんな私自身の“視点の転換”がそのまま宿っています。
雨とともに咲く記憶の花
私の中で紫陽花は、昔から「雨の中でそっと咲く花」です。
紫陽花2025の制作日記でも触れてきましたが、雨に濡れた曇り空の下で咲いている、やさしくも少し寂しげな姿が、ずっと心に残っているのです。
オンラインギャラリーで表現している世界観も、まさにこの紫陽花のイメージが軸になっています。
ブローチに添えた青いビーズも、ひと粒ひと粒が“雨粒”に見えるように。 素材やパーツの一つひとつに、意味を込めて選びました。
季節の一瞬を、作品に
年を重ねるごとに、風景の細部に心をとめるようになりました。
花の「一番美しいとき」は、きっと花自身が一番よく知っている。 だからこそ、雨の中でふと視界に入った紫陽花が、どんな景色よりも美しく感じるのかもしれません。
私はそんな“一瞬”を、革花に宿していきたいのです。
期間限定・再販のご案内
紫陽花2022シリーズは、2025年6月20日までの期間限定再販です。
季節とともにあるこの作品を、あなたの手のひらにも届けられたら嬉しいです。
下記リンクより詳細をご覧いただけます:
ご注文・発送について
こちらの作品は、すべて手作業で制作・梱包しております。
発送は【毎週水曜日】にまとめて行っておりますので、ご注文のタイミングによっては、
お届けまで最大で7日ほどお時間をいただく場合がございます。お急ぎの対応はできかねますが、ひとつひとつ心を込めてお届けいたしますので、
どうぞご了承いただけますと幸いです。
さいごに
作品というのは、ただ形あるものではなく、その裏に流れている想いや記憶、時間さえも含んでいるものだと、私は感じています。
紫陽花2022シリーズは、私が「色」を探し続けた時間そのもの。
そして、その色にやっと出会えたときの静かな喜びが、今もなおこの紫陽花たちに宿っているように思います。
もし、あなたの手のひらにこの紫陽花がそっと触れることがあったなら、そのひとときが、雨の季節に寄り添うやさしい時間になりますように。
梅雨という季節がくれる、淡く、静かで、ほんの少し切ない空気。
その中で咲く紫陽花のように、あなたの日常にも、小さな彩りをお届けできたら幸いです。
あわせてご覧ください
この紫陽花の世界観をそのまま閉じ込めた、オンライン個展も公開中です。
作品が咲いている静かな空間に、ぜひ足を運んでみてください。▶ 紫陽花のオンライン個展はこちら
https://oneoffkao.space/entry/ajisai-gallery-2025
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