革花作家kaoのオンラインギャラリーにお越しいただき、心より感謝いたします。
今回で二度目の開催となるオンラインギャラリー。
テーマは【初夏の庭|紫陽花と雨音】です。
梅雨のじめじめとした日々が続く中で、少しでも心が晴れやかになり、前向きな気持ちを取り戻せるひとときをお届けできればと思っております。
今回ご紹介するのは、「紫陽花2025シリーズ」の革花アクセサリーです。
紫陽花の持つ情緒や瑞々しさを、私が撮影した写真とともに「作品」としてご覧いただければ幸いです。
雨がそっと降り注ぐ初夏の庭を思い浮かべながら、どうぞゆっくりとご鑑賞ください。
紫陽花の美しさが、皆さまの心にやさしく響きますように。
――
―――そんなある雨の日曜日のこと。
いつもなら、雨降りの日曜日には外に出かけたくないのに。
今日はなぜか、ふと外に出たくなった。
じめじめと湿った空気の中、雨のにおいがどこか心地よく感じられて、ただ歩く。
パチャ、パチャ、と足音がやけに大きく響く道。
たくさんの紫陽花が咲く庭が目に飛び込んできた。
普段なら何気なく通り過ぎてしまう場所なのに、一瞬で心を奪われた。
こんな雨続きで気分が沈みがちな私の目の前に、まるで「元気を出して」とでも言うかのように、紫陽花が力強く咲き誇っている。
その美しさに圧倒されて、思わず声が漏れた。
「うわぁ…っ!!!」
こんなにも素敵な庭があったなんて、気づかないまま日々を過ごしていたなんて。
私はきっと、知らないうちに、下を向いて歩いていたんだな…。
どんよりと曇った空から、さらさらと優しく降る雨。
まるでシャワーのように降り注ぐその雨を、紫陽花たちは静かに受け止めている。
たくさんの紫陽花の中に、ふとガクアジサイを見つけた。
小さな雨粒が、次第に大きな丸い粒へと変わり、花びらをつたって、ポタッ…と小さく音を立てながら落ちていく。
その雨粒の動きを、ただじっと見つめていた。
紫陽花の花びらに目をやると、小さな雨粒がキラキラと光をまとい、まるで宝石のように輝いている。
その透明な粒が、紫陽花とひとつになり、まるで芸術作品を眺めているかのような、そんな気持ちにさせられる。
紫陽花にそっと手をかざしてみた。
輝きを映すその手を、いろんな角度に動かして、もっと、もっと、きらめきを見たくなってしまう。
この世界にあるどんな宝石よりも、今、この瞬間の紫陽花が一番美しいんじゃないか。
そう思ってしまうのは、きっと、梅雨の魔法のせい。
大輪の紫陽花が目に留まり、また足を止めた。
「きれい」という言葉だけでは表現しきれない、華やかさ、繊細さ、優雅さをまとった紫陽花。
まるでこちらを見つめているように咲いている。
傘を肩にかけたまま、両手で紫陽花をそっと包み込む。
その優しさと美しさに心を奪われ、すべてが静かに溶けていくように、心が無になっていく。
雨音が少し弱まり、雲の隙間から淡い光がこぼれた。
そろそろ帰ろうかと歩き出すと、紫陽花が名残惜しそうに揺れている。
なんだか、「またおいで」と言われているような気がして、振り返り、もう一度だけその色彩を胸に焼き付けた。
気づけば、いつの間にか下を向いて歩いていた私。
紫陽花たちに出会って、心が軽くなった。
きっとこれからは、前を向いて歩ける気がする。
だって、またあの紫陽花たちに会いに行きたいから。
雨がやんだ道をゆっくりと歩きながら、ふと思う。
「明日からは、もっと上を向いて歩こう。」
紫陽花が背中を押してくれたような気がした。
――角を曲がる前に、もう一度だけ振り返ってみた。
「また来年も、会いに来るね。」
そう心の中でつぶやきながら、初夏の庭をあとにした。
紫陽花が咲き誇る季節をこうして迎えられたこと、そして、その美しさをあなたと共有できたことに感謝します。
また新しい革花アクセサリーで、お会いできる日を楽しみにしています。
紫陽花がそっと初夏の風に揺れるように、
この革花アクセサリーもあなたの日々にそっと寄り添います。
一つ一つが、雨に濡れた葉の輝きや、やわらかな季節の色を映した、
世界にたった一つの花です。
今回ご紹介した紫陽花作品は、すべて数量限定で、再販はございません。
気に入った作品がございましたら、どうぞお早めにお迎えください。
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